こんにちは。

便秘薬がないと便が出ない…そういう人は、特に女性に多いです。

便秘になる理由として、言われているのが「便意を我慢する」「ダイエット」「月経周期」…ということです。

便秘…というと、一般的には3日以上排便がない状態のことを指します。または、毎日排便があっても残便感がある状態もそうです。

毎日排便できていなくても、便が楽に出でて、日頃お腹が張る…などの症状がなければ便秘でないという考え方もありますが、やはり毎日スッキリと排便できるのが理想です。

漢方の便秘薬にも色々ありますが、大体のものには生薬の「大黄(だいおう)」が入っています。

「大黄」は古くから世界中で用いられてきた下剤であり、その薬効が激しいため「将軍」…とも呼ばれている生薬です。「大黄」には充分な瀉下作用がありますが、単独でしていると次第に効き目が悪くなり、かえって便秘を引き起こし腹痛も強くなる…と言われています。

便秘のときに、よく使われる漢方便秘薬に「大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)」があります。この処方は「大黄」と「甘草」の2つの生薬からできています。

「甘草」は漢方薬の中によく使われる生薬ですが、他の生薬の効果を高めたり、毒性を緩和する調整役として加えてあります。

「甘草」は鎮痙作用をもっていて、「大黄」による大腸痙攣性腹痛を緩和させ、激しい瀉下作用を緩め、また腸管内の水分を保持して、ほどよい便通をもたらすはたらきがあります。

「大黄甘草湯」は、「将軍(大黄)」の行き過ぎを、調和作用のある「国老(甘草)」がほどよく抑え、便秘に使いやすくした処方で、便秘の基本処方として習慣性の便秘によく使われています。

一方、便秘でも「ウサギの糞」のようなコロコロ便が出る人がいます。腸が乾いて、便の流動性が失われて、長い時間とどまると水分を吸収されて便が「ウサギの糞」のようにコロコロになります。

特に、高齢者や病後などで発熱や発汗で体が乾燥した人の便秘はこのタイプです。

そんな人には、腸に油をさして滑りをよくするような「麻子仁丸(ましにんがん)」…という便秘薬が合っていると思います。

加えて、元気がなく胃腸のはたらきが弱い人には、「気」を補う漢方薬を。イライラ感など精神的な緊張や神経過敏性の人には「気」の巡りをよくする漢方薬を一緒にのむと効果があります。