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初潮から閉経まで毎月繰り返される女性の生理周期は、妊娠を準備する基礎的なプロセス。月経期、卵胞期、排卵期、黄体期…という異なる役割をもつ4期で構成されています。

そこで、妊娠の条件を整えるために、各期の役割を十分に果たす助けとなるように、期間ごとに薬や養生法などを変えて、適合させることが必要です。

漢方薬により、組織の活動や休養の仕組みを助け、機能の障害や負担になる不要物を取り除き、失調したリズムを正常にすることを通して、自然な妊娠の条件を整えることが、中医学における周期療法です。

月経期(第1~5日)
月経期(周期のはじめの3~7日間)は、不要になった子宮内膜と中の血液を全部外へ排出し、赤ちゃんが宿る部屋を大掃除します。

漢方薬の役割としては、月経血を順調に押し出す漢方薬を用いて、余分なものを子宮内から完全に出しきります。排出をスムーズにする「活血薬(かっけつやく)」と「理気薬(りきやく)」などを中心に使います。

卵胞期(第6~12日)
月経の出血は止まり、新しい内膜を作り始めます。いわば赤ちゃんの丈夫なベッド作り。卵巣内では1個の卵胞がすくすく発育し、成熟します。

漢方薬の役割としては、月経後に不足しがちな「血」や潤いを補い、成熟度の高い卵子と新しい内膜をつくる手助けをします。栄養供給量を増やす「補血薬(ほけつやく)」や「滋陰薬(じいんやく)」などを中心に使います。

排卵期(第13~15日)
卵巣内の成熟した卵胞から卵子が飛び出し、卵管へと誘導されます。ここで高温期に移行します。赤ちゃんの卵を迎える部屋も暖められます。

漢方薬の役割としては、「気」や「血」をめぐらせて排卵を促します。排卵を促し、高温期に移行をすみやかにするため「活血薬(かっけつやく)」と「理気薬(りきやく)」などを中心に使います。

黄体期(第16~28日)
赤ちゃんの卵が着床し育つように子宮内膜は態勢を整えます。ふかふかのベッドの準備が完了です。赤ちゃんの卵がない場合は、末期に子宮内膜がはがれ始めて月経になります。

漢方薬の役割としては、子宮内膜が温かく柔らかい状態を保てるような「気」や「血」を補い、めぐりを整えながら子宮を温めます。受精卵を着床させるため「補陽薬(ほようやく)」などを中心に使います。

この周期療法は、不妊症の基礎改善だけではなく、婦人科疾患の有用な改善法でもあります。