こんにちは。

「スポーツの秋」「芸術の秋」「読書の秋」「食欲の秋」…といろいろ楽しめるこの時期です。

一方で、秋の気候の特徴といえば、空気が乾燥した状態が続く「乾燥」の時期。この時期はカラ咳、痰が少ない、鼻が乾く、鼻血、のどの渇き、声がかれる、皮膚の乾燥、肌荒れ、髪の毛にツヤがない、便秘、痔の出血…などがしばしば見られます。

これらは乾燥から来るもので、津液(体内の正常な水分)が消耗されて、肺、鼻、のど、皮膚、髪の毛、大腸などに潤いを与えられなくなったことから起こります。

秋の養生は、乾燥を潤すという対策が必要です。つまり、「肺」の潤いを保つことを心がけます。ここでの「肺」は中医学の「肺」…呼吸器系の肺はもちろん、呼吸をする…という意味で皮膚も「肺」の一部に含まれます。

この時期おススメの食材としては、大根、レンコン、ホウレン草、梨、りんご、ハチミツ、キクラゲ、オリーブ油、皮付きの豚肉、鶏ガラなどです。

生薬では、百合(びゃくごう)や玉竹(ぎょくちく)、沙参(しゃじん)など。「百合」はユリ根のことで、秋の乾燥によるカラ咳、のどの渇きなどに優れています。「玉竹」はアマドコロとも言い、皮膚を潤し美顔効果があります。「沙参」はハマボウフウのことで、口腔内の乾燥に効果があります。中国ではよく「秋の乾燥」の予防と治療に使われたり、薬膳料理にも応用されたりもするようです。

141009_1

「百合」「玉竹」「沙参」が使われた漢方に「百潤露(ひゃくじゅんろ)」があります。秋の乾燥におススメです。

潤いをつけるのが大切なこの時期。逆に辛いものや揚げ物などは体内の潤いを奪うので、なるべく避けた方がいいかもしれません。タバコやお酒なども乾燥を助長します。