こんにちは。
漢方薬の「人参」というと、日本では「朝鮮人参」「高麗人参」と呼ばれている人参が一般的に知られています。
このほかに、シベリア人参、田七人参、西洋人参があり、4大人参と言われています。これらは皆、ウコギ科の植物なのですが、産地が異なり、名前も性質も効能も少しずつ違っています。人参は疲労回復や病後の体力回復など、体の機能を高め、体を元気にする強壮効果を特徴とします。
その中で最近注目されているのが「シベリア人参」です。
シベリア人参はシベリアに自生する人参で、優れた抗ストレス作用があり、原開発国であるロシアをはじめ欧米でも広く認められ、科学的にも証明されています。特に、精神的な興奮と抑制のバランスを回復する作用に優れており、不眠症や自律神経失調症などに効果がみられ、現代人のストレス社会に最も必要とされる「メンタル・ハーブ」の一つだと思います。
次に「西洋人参」。
「西洋人参」は別名「アメリカ人参」と言い、アメリカやカナダの森林地帯に自生し、朝鮮人参と同じウコギ科ですが、身体を温めながら元気をつける朝鮮人参と違い、西洋人参は身体を冷やしながらパワーをつけます。身体は力が満ちるのに、頭は逆に興奮状態が抑制され、仕事の集中力が持続するので、中国ではビジネスマンのほか、受験生たちがよく飲んでいるそうです。
さらに、体液の代謝をスムーズにするという作用もあり、特に肺への水分の取り組みが悪くて肺の中が乾いて咳き込む、口の中が乾燥する、のどが渇くという方にもおススメです。
元気をつけて体を潤し、性質が「涼」であり、暑い夏を乗り切るサポートとしてもおススメです。
最後に「田七人参」。「デンシチニンジン」と読みます。
「田七人参」は中国の南、雲南省から広西省にかけての海抜1200~1800mの限られた地域でしか採れない特産品です。
特徴は、なんといっても出血した際に、血小板の凝集を促進し、速やかに止血することです。しかも、止血するばかりでなく、打ち身や、潰瘍・ガンなど、また血管の破裂などで内出血してしまった血液(瘀血)を流動性のものに変え、または体に吸収させ、体の中に停滞させません。「止血」と「活血」の相反する性質を同時に持っています。中国では打ち身や打撲、出血で有名な「雲南白薬」の主成分です。
もう1つ、田七人参が注目される理由に、肝臓への効果があります。田七人参は、中国で肝炎の治療に使われる「片仔廣(へんしこう)」の主成分です。
体を元気にする人参のいろいろです。