こんにちは。
年間を通して湿度の高い日本では、昔から「お腹を冷やさない」ことが重要とされてきました。
「湿度」と「冷え」は胃腸を悪化させる要因だからです。
特に、この蒸し暑く冷たいものをとる夏は、胃腸のトラブルが多い季節です。
中医学では、飲食物は「胃」という入れ物に入った後、「脾」という消化器系がはたらくことによって、飲食物の中から気(免疫力やエネルギー)や血(体の各組織の栄養の元となる)、津液(生理的に必要な水分、潤い)、精(生命の根源物質であり、人体の熱エネルギーのもととなる物質)を体に取り込む…と考えています。
だから胃腸機能の低下は、胃腸疾患だけの問題にとどまりません。
「脾」のはたらきが正常でないと、体に様々な不調をきたすこともあります。
例えば、貧血や慢性疲労、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患、不妊症などです。
「ひよわ」とは、まさに「脾弱」…ということが言えます。中医学では、このような状態のことを「脾気虚(ひききょ)」と呼びます。
胃腸は食物の消化吸収やエネルギーの発生や、全身の水分代謝にも大きく影響しているので、「脾気虚」の人は胃腸機能の低下や下痢、おりものの増加などが一般的には見られます。
「食欲がない」「食後もたれやすい」「軟便がちである」…のような症状ががある人は、「脾気虚」かもしれません。
健康を維持するためには食べ物も大事ですが、胃腸の機能が正常であることが最も重要となります。
この季節は暑いからといって、冷たい食べ物や冷たい飲み物の摂り過ぎには注意してください。