こんにちは。

ちょうど今は「三寒四温」という不安定な気候で、自律神経のバランスが崩れやすくなる時期です。その影響で心のバランスが崩れやすくなり、不安を感じたり、イライラしたり、ちょっとのことで腹が立ったり、やる気が出なかったり、落ち込んだり…そんな情緒不安定になりがちな季節です。

自律神経とは血管、リンパ腺、内臓など自分の意思とは無関係に働く組織に分布する神経系のこと。呼吸や代謝、消化、循環など自分の意思とは無関係で生命活動の維持やその調節を行い、絶えず活動しています。

自律神経のバランスが崩れることにより起こる症状のことを総称して自律神経失調症と言いますが、病名ではありません。

日本心身医学会によると、自律神経失調症とは「種々の自律神経系の不定愁訴を有し、しかも臨床検査では器質的病変が認められず、かつ顕著な精神障害のないもの」と暫定的に定義されています。疾患名ではなく「神経症やうつ病に付随する各種症状を総称したもの」というのが一般的な国際的理解です。

自律神経失調症の症状としては、

全身症状疲れやすい、だるさ、めまい、立ちくらみ、微熱、不眠、食欲不振、フラフラするなど
精神症状イライラする、気が滅入る、怒りっぽい、集中力や意欲がない、やる気が出ない、注意力がない、些細なことが気になる、不安感が強いなど
頭痛、頭が重いなど
目が疲れる、痛い、開かない、乾く、涙目など
耳鳴り、耳に何か物が詰まっているように感じるなど
口が乾く、口の中が痛い、味覚がおかしいなど
のどのどがイガイガする、詰まる、異物感があるなど
呼吸器息切れ、息苦しいなど
心臓・血管胸が苦しい、痛い、動悸、血圧の変動など
消化器吐き気、便秘、下痢、お腹が張る、ガスが溜まるなど
皮膚痒い、乾燥する、汗がたくさん出る、汗が出ない、冷や汗など
筋肉・関節肩や首がこる、痛い、関節がだるい、力が入らないなど
手足しびれ、痛み、冷え、ほてりなど
泌尿器頻尿、残尿感、尿が出にくいなど
生殖器痒み、月経不順、ひどい生理痛など

自律神経失調症になりやすいのは、虚弱体質、痩せ型、アレルギー体質などの「遺伝的体質」、心理・社会的ストレスなどの「ストレス」、更年期障害、過剰な肥満ややせなどの「ホルモン分泌の乱れ」、過剰適応・不適応タイプ、神経質などの「性格」、能力以上の作業などの「過労」、夜更かし、夜間勤務、悩みなどの「睡眠不足」、栄養の偏りなどの「食事」、多量のタバコ本数、ニコチンの量などの「喫煙」など。

特に神経質な人、不規則な生活の人、女性(若い、更年期)に多いそうです。

自律神経失調症の最たる引き金(原因)はストレス。「女性を見たら気滞と思え」と言われますが、女性はストレスを感じやすく、結果生じる病理産物である「瘀血(血の滞り)」も関係していることは明らかです。臓器の働きが落ちているのではなく、「気」や「血」が上手く巡っていない…情報伝達が正しく伝わらないことから様々な症状が出るのだと推察されます。

自律神経失調症は病名ではなく、治す処方箋薬もありません。自律神経失調症は何かの結果、症状が出ており、原因が存在します。しかし、原因の特定はできないことも多く、そのような場合でも、体全体のバランスを整えていく意識が最も効果的だと考えます。

体全体のバランスを整えることにおいては中医学が得意とする分野です。睡眠不足の状態になるとストレスを感じやすくなりイライラしやすくなると言われています。目の前の諸症状を緩和するとともに睡眠から改善することも大切です。