こんにちは。
中国で「飲む目薬」と呼ばれる「杞菊地黄丸」。疲れ目や視力減退に効果があります。
また、虚弱体質や耳鳴り、めまいにも使われる薬です。
「杞菊地黄丸」は地黄、山茱萸、山薬、牡丹皮、沢瀉、茯苓、菊花、枸杞子の8つの生薬からなります。
地黄、山茱萸、山薬で「腎陰」と「腎精」を補い、牡丹皮、沢瀉、茯苓で「腎陰」不足による熱を鎮め、これに「肝」と「腎」を補う枸杞子と、「肝」を鎮めて熱を取る菊花が足されている…。ベースになっている「六味地黄丸」の6味に、目によい菊花と枸杞子の2味を加えた処方です。
「肝」と「腎」の陰液不足による疲れ目、かすみ、視力低下、目が乾燥してゴロゴロする、風が当たると涙が出る、などの目の症状を改善し、手足のほてりや口の乾燥、のぼせ、頭が重く感じる、めまい、むくみ、尿量減少または頻尿などの排尿障害に用います。
とても守備範囲の広い漢方薬です。
漢方薬には煎じ薬以外にも、エキス剤や、丸剤など様々な剤型があります。よく目にするのは煎じた薬液を濃縮して粉状にしたエキス剤で、ぬるま湯に溶かして飲みます。
「杞菊地黄丸」にはエキス剤の他、小粒の丸剤や蝋皮丸(ろうひがん)があります。蝋皮丸は、粉にした生薬をハチミツで練った丸剤を、蝋やプラスチックでできた容器で密閉したものです。
それぞれ、煎じ薬、エキス剤、丸剤の剤型にはそれぞれ特徴があります。
貝原益軒の記した「養生訓」には、
手足まで効かすには「薬湯」を用い、胃の中に留めておくには「散薬」を用い、胃腸の奥の病気には「丸薬」を用いる。急速な病気には「薬湯」を、ゆるやかな病気には「散薬」を、もっとゆるやかな病気には「丸薬」が効果的…とあります。
それぞれ特徴はありますが、飲みやすさ、続けやすさで服用されていいと思います。