こんにちは。
日本の平均寿命は2020年の調べで、女性が87.74歳、男性が81.64歳…と過去最高を更新しているのだそうです。
「長生きをしたい」というのは誰もが望むことですが、「寝たきりや認知症になって長生きをしたくない」と思う人も多いようです。
本当にボクたちが望むのは「長寿でありながらいかに健康でいられるか」という健康寿命だと思います。
長生きしながらQOL(生活の質)を維持する…。「健康」と「長寿」の両立がボクたちの願いです。
100歳以上の高齢者のことを「百寿者」あるいは「センテナリアン」と呼びますが、100歳を超えても健康な生活を楽しめる…そんな健康長寿のカギを探る研究が世界各国で日々進められています。
その中で、老化のカギを握ると言われているのが「酸化」「糖化」「炎症」。
今回お話ししたいのが「炎症」についてです。
「慢性炎症のレベルが低い人ほど寿命が長い」ということが言われています。
「炎症」とは、細菌やウイルスの異物が入って来たときにそれを取り除く、あるいはケガをした傷を修復するときに起こる生体反応です。
例えばカゼを引いて熱が出たり、どこかをぶつけてその部分が腫れるような状態。これらは治癒反応の一環として起きる「急性炎症」で、「生体の恒常性」により収束・消退する「可逆的な炎症反応」です。
「慢性炎症」は「急性炎症」と比べてはるかに低い炎症反応ではありますが、数ヶ月・数年で徐々に進んでゆく継続的な炎症反応です。「慢性炎症」は「不可逆的な炎症反応」であり、最近では、この「慢性炎症」こそが「万病の根底」であると考えられています。
糖尿病などの生活習慣病が「慢性炎症」に関連していると言われ、血管が硬くなる動脈硬化は「血管の炎症」だということが分かって来ました。
高齢者では、炎症のマーカー(CRP、IL-6、TNF-αなど)の値が高くなる傾向にあり、これらのマーカーの値と心血管系のリスクの死亡率が比例する傾向にあるとのこと。
大規模なコホート研究(100歳以上対象)では、炎症マーカーが高い人たちに比べて炎症マーカーが低い人たちは、余命が長い傾向があるだけでなく、生活機能や認知機能が高かったとのこと。一連の研究から、「慢性炎症」があると老化が進んで寿命が縮まり、逆に「慢性炎症」が少ない人は長寿の傾向があることが明らかになってきています。
実際に、高齢で有名な双子の「ぎんさん」の「慢性炎症」を示す炎症マーカーは「0」に近かったそうです。
あらゆる臓器で炎症所見が見当たらなかったそうですが、特に「血管」が注目されました。
動脈硬化が進んだ血管にハサミ✂を入れるとバリバリ音がするほど硬いと言いますが、「ぎんさん」の「血管」は至ってしなやかで、血管年齢は実年齢よりも30歳以上若かったと言います。
「血管」は一番人間の寿命と一致する器官と考えられていて、その人の実年齢は、血管が若いかどうか。「血管が老いる」ということは「人が老いる」と同じ意味…ということになります。
「慢性炎症」が増えている原因として、現代人の生活にあります。
食品添加物をはじめとする化学物質、PM2.5を代表とする大気汚染、ファストフードのような高脂肪食、人間社会が排泄した水銀など…。これらが体の中に入ることで、免疫システムがそれを異物として捉え暴走し、「炎症」を引き起こします。加えて、ストレス、睡眠不足、暴飲暴食、運動不足なども「炎症」を起こしがちな生活です。
ちなみに、「ぎんさん」の健康法は「1日40分程度の散歩」「1日3食を決まった時間に食べる」というものだったそうですが、これなら何とかできそうな気がしますね。
まずは、規則正しい生活を送ることが基本ですが、手助けをしてくれる漢方薬や自然薬などもありますので、気になる方はご相談ください。