こんにちは。

健康な人の血液の流れは、勢いよく流れる清流に例えられます。

川が正常に流れるためには、水がキレイで勢いがあり、水量も豊富で川幅も充分にある…というのが理想です。

流れが悪くなる原因は様々ですが、大きく、①元気不足(気虚タイプ)②血液不足(血虚タイプ)③冷え・寒がり(陽虚タイプ)④体液不足(陰虚タイプ)⑤イライラ(気滞タイプ)⑥ヘドロがたまった(痰湿タイプ)

…の6タイプに大別されます。

体液不足(陰虚タイプ)

体内の潤い不足で、「血」がドロドロのタイプです。

このタイプの方は、

  • 潤い不足のため、肌が乾燥して弾力がない
  • 体内の熱を冷ませず、手のひらや足の裏が火照る
  • 潤い不足で、のどが渇きやすい
  • 体液を消耗しやすくなり、食べても太りにくい
  • 月経血の色が濃く、粘っている

などの症状がみられます。

ボクたちの体の65%以上は「水」。この水分が不足した「陰虚」の状態になると、のどが渇きやすい、肌が乾燥しやすい、手足が火照りやすい…といった症状が現れるほか、血中の水分も減って、「血」が濃くなってしまいます。血中の水分が不足していると、川の水量が減ってボートがうまく進めなくなるのと同じで、血球が血管内で渋滞を起こしてしまいます。その結果、血球が血管壁にくっついて血栓ができやすくなるなど、まさに「ドロドロ血」による悪影響が…。

体が水分不足になる原因は、年齢によるもの、体質的な素因によるもののほか、辛いものや油っこいものの食べ過ぎや、汗のかき過ぎなど、生活の中に隠れていることもあります。血液の水分を増やして、血球がスムーズに流れるようにしましょう。

夏野菜で潤い補給、香辛料は控えめに

発汗によってただでさえ体が水分不足になる夏には、トマト、キュウリ、冬瓜、スイカ、梅など、夏に旬を迎える野菜や果物で潤い補給を。また、このタイプの人は、秋になると乾燥した咳が続くことも多いため、呼吸器を潤すナシ、ハチミツ、松の実などを適度に摂ることをおススメします。

一方で、トウガラシ、コショウ、山椒、カラシなどの香辛料は、体を火照らせるだけでなく、潤いを奪ってしまう作用があります。また、油っこいものの食べ過ぎも火照りなどの熱症状を悪化させるので、普段の食事はあっさりした味付けで、野菜中心が正解です。

それと、体の中から水分を絞り出すサウナは、このタイプの人には不向きな入浴法。サッパリするどころか、かえって疲れてしまうはずです。お風呂では肌を乾燥から守り、汗をかき過ぎないように、ぬるめのお湯で短時間で切り上げるのが原則です。

適度に体を動かすことは大切ですが、炎天下でのジョギングなど汗をダラダラかくのはかえって良くありません。ウォーキングや水泳など、汗をかき過ぎないスポーツがおススメです。

お茶にも体を温める作用のものと、体の熱を冷ます作用のものがあります。緑茶は体の熱を取る「涼性」なので、このタイプにはピッタリです。ただし、冷たい飲み物は胃に負担がかkるので、温かい緑茶を。

このように、ポイントを踏まえた規則正しい生活を送ることが大切ですが、それでも難しい場合、中成薬(中国漢方)や自然薬の出番です。

「杞菊地黄丸」や「八仙丸」「瀉火補腎丸」などは、体の潤いを増やし、火照りを取る作用に優れています。「杞菊地黄丸」には目を潤す成分も入っているので、ドライアイの人には特におススメです。