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のぼせや発汗、耳鳴りや頭痛、不安感やイライラなど、不快な症状があらわれやすい更年期。「不定愁訴」とも呼ばれるこうした症状は、人によって多様で個人差が大きいのが特徴。
更年期を快適に過ごすためには、年齢によって変化する体のリズムに応じた養生が大切になってきます。
中医学では、女性の一生のリズムは7年ごとに節目を迎え変化すると考えています。約2000年前の中医学の医学書である「黄帝内経」には、「女性は7の倍数で変化する」とあります。
誕生から7年目(7×1)は生命力が芽吹く頃で、乳歯から永久歯へ歯が生え変わったり、髪の毛の量が増えたりする時期に当たります。14歳(7×2)には生殖系統の発育が盛んになり、初潮が訪れます。
21歳(7×3)から女性として成熟期を迎え、最も妊娠に適した時期に入ります。そして身体機能、性機能ともにピークを迎えるのが28歳(7×4)。35歳(7×5)以上の出産を高齢出産と呼びますが、女性にとって35歳が大きな節目と言えます。
35歳以降から徐々に変化し、女性ホルモンの分泌量が減少する42歳(7×6)を迎えると老化が加速し、白髪や肌のカサツキ、ボディラインの崩れなどが気になるようになります。また、月経周期が不規則になる、経血量が少なくなるなど、生理機能にも変化が見られるように。閉経が近づくにつれ、性欲の衰えや分泌物の減少などの変化があらわれ、そして性機能が更に衰える49歳(7×7)で閉経を迎えます。
14歳で初潮、49歳で閉経という女性の体のリズムは、2000年経った今でもほとんど変わっていません。更年期に入るのは、閉経の5~7年くらい前から。閉経を迎える年齢には個人差がありますが、ホルモンバランスが崩れる40代から50代にかけてが、更年期と呼ばれる時期に当たります。
7の倍数で変わる女性のリズム
- 0歳(7×0):誕生
- 7歳(7×1):成長期(小学生)
- 14歳(7×2):初潮を迎える(思春期)
- 21歳(7×3):女性としての成熟期(身長が伸び切る)
- 28歳(7×4):成熟期(生理・性機能)のピーク
- 35歳(7×5):生理と性機能の衰えが始まる
- 42歳(7×6):体力の衰えが気になり始める
- 49歳(7×7):閉経が訪れる時期
- 閉経以降:緩やかに老化していく
男性にも更年期があります。
ようやく男性の更年期が話題に上がるようになりましたが、まだまだ「更年期は女性特有のもの」という考えも多く、知名度は低いようです。
確かに、女性のように月経周期の変化や閉経といった明確なサインがないため、自覚しにくいという問題もあるかもしれません。
中医学では、男性の体のリズムは「8の倍数で変化する」と考えられています。老化曲線が緩やかな女性と比べて、男性の場合は40歳から急激に下降線をたどるといいます。
男性の更年期が始まる40~50代は、身体的機能低下だけでなく、精神的にもストレスを抱えやすい年代。働き盛りの40~50代は職場でも中間管理職として上からも下からもプレッシャーがかかる時期であり、家庭においても親の介護の問題や子どもの教育費の増大など、多くの問題が発生しやすい時期です。
女性と同様に不眠や不安感などの情緒不安が見られますが、自覚のないまま不調を放っておくと、うつ病に陥ってしまうケースも…。排尿や性機能の衰えなどの症状があらわれたら、まず「男性の更年期」を疑ってみることです。
8の倍数で変わる男性のリズム
- 0歳(8×0):誕生
- 8歳(8×1):成長期(小学生)
- 16歳(8×2):思春期
- 24歳(8×3):男性としての成熟期のピークを迎える
- 32歳(8×4):ピークが続く
- 40歳(8×5):老化が始まる
- 48歳(8×6):性機能や排尿機能の低下
- 56歳(8×7):老化が本格化する
- 64歳(8×8):緩やかに老化する