こんにちは。
女性は人生の半分を月経と関わって過ごします。
中医学では、女性の身体は7年ごとに変化があります。「7」の倍数で変化します。
月経のリズムも「7」の倍数が基本。個人差はありますが、健康な月経の日数は7日前後、月経の周期は28日(7×4)前後が一般的です。
経血の量は多すぎず、色は赤色、粘りや大きな塊が無いのがいい状態です。そして、月経痛(生理痛)は「ない」のが正常な状態なんです。
「月経痛がある」「周期や日数が乱れる」「量や色が気にかかる」といった場合は要チェックです。
月経の諸症状は、様々な要因で体内の「気」「血」の働きが乱れることで起こるものなので、体質や体調を見直し、根本的に改善することが大切です。
多くの女性を悩ませる月経痛も、少量の鎮痛剤を服用して治まる程度であれば、日常生活の工夫や中医学の養生で和らげることができます。ただし、月経痛が我慢できないほどつらい場合は、子宮内膜症などの病気が絡んでいる場合があります。
中医学では大きく分けて3タイプ。気・血の流れが悪い「気滞瘀血(きたいおけつ)タイプ」、冷えが原因の「寒邪(かんじゃ)タイプ」、エネルギー不足の「気血虚弱(きけつきょじゃく)タイプ」です。
◎気滞瘀血タイプ…ストレスが原因の月経痛
<月経痛の特徴>
・月経前、月経中の下腹部の張り、痛み
・胸の両脇の張り、痛み
・情緒の変動によって、痛みが変化する
<月経の特徴>
・経血の色が暗い
・経血に塊が見られる
<その他の症状>
・生活にストレスが多い
・イライラしやすい
<養生のポイント>
まずはストレスをためないこと。ストレスを発散して気・血の流れをスムーズに。
(食べ物)金針菜、ジャスミン茶、小豆など。
(漢方薬)逍遥丸、冠元顆粒、田七人参、水蛭製剤など。
◎寒邪タイプ…子宮を冷やす冷えに注意
<月経痛の特徴>
・月経前、月経中の下腹部の冷え、痛み
・冷えると痛みが強くなる
・温めると痛みが緩和する
<月経の特徴>
・経血の色が暗い
・黒ずんだ血塊がある
・経血がすっきりと出ない
<その他の症状>
・手足が冷える
・むくみやすい
・顔色が白っぽい
<養生のポイント>
温性の食材、辛味のある食材を。身体を冷やさないように。
(食べ物)ヨモギ、紅花、シナモンなど。
(漢方薬)婦宝当帰膠、温経湯、ピクノジェノール製剤など。
◎気血虚弱タイプ…体内の陽気・栄養を十分に
<月経痛の特徴>
・月経の後半に痛みが強くなる
・比較的弱い痛みが長く続く
<月経の特徴>
・月経の周期が長い
・経血の色が薄い
・経血の量が少ない
<その他の症状>
・疲労感
・めまい
・顔色が青白い
<養生のポイント>
温性、甘味のある食材で、身体を温めながら血を補いましょう。
(食べ物)なつめ、ニンジン、卵など。
(漢方薬)婦宝当帰膠、補中益気湯など。
現代の便利な生活では、冷房などで体が冷えたり、冷たい物を食べ過ぎたり、運動不足になりがちだったり、食事も脂っこい…など血行が悪くなる原因となるものが多いです。
こうした生活習慣を見直すことも、月経痛の改善につながります。痛み止めだけで、症状を抑えるのは、根本治療とは言えません。
痛みがないのが「健康な月経」です。