こんにちは。
咳をしても痰がなかなか出てこない…そんなことありませんか?
それは痰に粘り気があるせいで、痰を出そうと何度も咳をするのですが、それでも出ないときも…。
このように痰が絡むのは、潤い不足からくる「肺陰虚」の状態だと考えられます。
つまり、気道の粘膜が乾燥して機能が低下しているわけですが、夜布団に入って体が温まると咳が出ることがありますが、これも乾燥が原因です。
体が温まってますます乾燥が進み、咳が出るのですが、それでも痰は切れません。
慢性的に痰が出る場合、中医学では「肺」だけでなく、胃の不調も疑います。
痰をつくるのは「脾(胃腸)」で、「肺」は痰が溜まる場所と考えているからです。
根本的な改善には、「肺」を潤し、「胃」の働きを良くすることが大切であり、のどの症状の改善には「呼吸器系」と「消化器系」の両方にアプローチする必要があります。
また、「痰」と言っても大きく4タイプに分かれ、それぞれ対応も異なります。
◎操痰タイプ
一般的に「痰」が絡む状態。
上(↑)の「肺陰虚タイプ」で、肺の粘膜が乾燥するので痰は少なく、粘るため絡んで出しづらくなります。「肺」の潤いを補う食材で痰や咳を治します。
(おススメ食材)バナナ、柿、豚肉、豆腐、梨、白きくらげ、レンコン、白菜、リンゴ、ハチミツ、百合根、松の実、水飴
(おススメ漢方)麦門冬湯、潤肺糖漿など
◎熱痰タイプ
黄~緑色の痰が出るのは「肺」に熱があるため。「肺」の熱を冷まし「痰」や咳を除く食材を。
(おススメ食材)昆布などの海藻類、緑豆、バナナ、大根、セロリ、豆腐、ゴボウ、緑茶、春菊
(おススメ漢方)麻杏止咳顆粒、麻杏甘石湯、五虎湯など
◎湿痰タイプ
胃腸の水分代謝が崩れ「痰湿(余分な水分の停滞)」ができます。「脾」の働きを助け、余分な水分を排出する食材を。
(おススメ食材)ハトムギ、冬瓜、小豆、大豆、トウモロコシ、陳皮、栗、らっきょう、インゲン豆
(おススメ漢方)二陳湯など
◎寒湿タイプ
「痰」に色がなくサラサラしているのは「肺」が冷えているため。「肺」を温めて「肺」にたまった水分を除き「痰」や咳を治します。
(おススメ食材)ショウガ、ニンニク、長ネギ、栗、らっきょう、タマネギ、シナモン
(おススメ漢方)小青竜湯など
どのタイプの痰・咳も、生冷飲食、肥甘厚味を控えましょう。
肥甘厚味の「肥」は脂っこいもの、「甘」は甘いもの、「厚」は味の濃いもののことで、これらは胃腸に負担をかけるので、病気の引き金になるため、できるだけ控え、薄味の和食を心掛けましょう。