こんにちは。
西洋医学も19世紀頃までは薬草による治療が主体となっていたそうで、見た目の上では中医学とあまり変わらなかったそうです。
しかし、19世紀後半になると科学が発達し、細菌や細胞に関する研究がすすむと、医学体系が大きく変化していきます。
細菌感染に対する予防衛生の観念が高まり、さらに抗生物質が発見されると、細菌感染の減少に大きく役立つとともに、中医学との決定的な違いを生むこととなったわけです。
西洋医学が「病気の原因である細菌に的を絞り、それを殺すこと」に主眼を置くのに対し、中医学では「病原菌への攻撃より、人体の活力を増進させること」に主眼を置く。抵抗力を高めることで、細菌に打ち勝つことができれば病気が治る…「免疫学」に通じるものでもあると思います。
西洋医学は方法論として非常に合理的なのですが、その反面、最近問題となっているのが「耐性菌」です。
細菌は生き物なので、抗生物質と戦い続ける中で淘汰され、より強力なものに進化していきます。しかも、こうして生まれた「耐性菌」は、抗生物質の開発よりも早いスピードで、成長するようにもなった…とも言われています。
そんな中、細菌と抗生物質が強くなる中で、両者の戦いの場であるボクたちの体の強さは変わっておらず、むしろ年々活力が衰えている…。それが副作用の出やすくなっていることにもつながっているようです。
漢方薬にも副作用がないわけではないですが、人体の活性化に主眼を置いているので、基本的に作用の仕方がやさしいです。一般的に漢方薬の成分は複雑で、その配合法も千差万別、細菌の耐性ができにくいのも特徴ですし、人体を活性化することは、細菌の種類を問わない点も大きな長所かもしれません。
「どちらが優れている」とは言えませんが、両方の長所を生かしていくことがより良い治療につながると思います。