こんにちは。

先日、大宰府にある九州国立博物館に行ってきました。

メインは特別展示の「至上の印象派展~ビュールレ・コレクション~」ですが、常設展示も観て回りました。

九州国立博物館は何度か行ったことがあり、その都度常設展示も観ていました。この常設展示は、広いスペースに埴輪(はにわ)や青銅器や壺、石の道具など、遺跡から出土したものが展示してある…という印象です。

確かに今回もそんな印象ではありましたが、新たな発見もありました。

九州国立博物館蔵の「針聞書(はりききがき)」という、戦国時代に著された「針灸」により体内に居る「虫」の退治方法をまとめた医学書です。書かれたのは今から450年前だそうですが、そこには、63種の「ハラノムシ」がイラスト入りで紹介されています。この虫たちは空想上のものですが、その1つ1つが漢方の病名をキャラクターにしたような印象です。

もともとボクたちが日頃つかう表現の中に、「虫の居所が悪い」「腹の虫が収まらない」「虫が好かない」「弱虫」「泣き虫」「虫のいい話」「悪い虫がつく」「虫の知らせ」…など、「虫」のつくものが多く存在しますが、日本人にとってそれだけ「虫」は身近な存在というわけです。

「針聞書」にすっかり興味をそそられてしまい、その虫たちが載っている図録のような本を買ってしまいました。

「悪血」「水腫」「脹満」「血塊」「積聚」…など中医学の病名っぽいのや、「耳虫」「汗の虫」「大酒の虫」「腰痛の虫」「昼寝の虫」「気絶の虫」…など面白い名前の虫も。それぞれに、その特徴と治し方が書いてあります。

あまり実用的ではなかもしれませんが、この世界観がボクは好きで、空想上の虫にクスっとなってしまいます。