こんにちは。
ボクたちの体や脳は年齢とともに衰えていきます。
記憶力や運動能力も低下していきますが、こうした老化の現象は早くから始まる人もいれば、80歳でも元気ハツラツの人もいらっしゃるように、人により差が大きいことも確かです。
老化の原因は様々ですが、中医学では「腎」に蓄えられる「腎精(じんせい)」と呼ばれる物質を重視しています。「腎精」は発育、成長、生殖をコントロールするほか、脳の働きを促進、血管の若さを保つなど広範な働きをもつ「生命の源」で、目・耳・骨および血管の老化と密接な関係があるとしています。
中医学では、この「腎精」には、「先天の精」と「後天の精」の2種類があるとあると考えています。
「先天の精」は先天的に両親から受け継いだもので、遺伝と密接な関係があるとされています。もう1つの「後天の精」は生まれた後、飲み物や食べ物から吸収されたものです。
遺伝が人間の寿命に大きく関係することは「遺伝子=DNA」の解析から分かりつつありますが、長寿の家系にも関わらず病気がちで早死にする人もいますし、病弱な両親の元に生まれても80歳、90歳といつまでも元気な人もいらっしゃいます。
これは、遺伝よりも毎日の食べ物、運動、精神状態、人間関係などの生活環境、生活習慣がボクたちの寿命に影響していることを示しています。つまり、遺伝は老化と密接に関係しているけれど、その後の養生によって「腎精」を補えば、老化を遅らせて若々しく生活していくことが可能であるということです。
また、「人は血管とともに老いる」とも言われます。血管は血液の流れ道であり、血液は全身に栄養や酸素などを運び、老廃物を取り去る働きがあります。血管の老化を伴い、血液の流れが悪くなると新陳代謝は低下し、全身の老化を引き起こすことに…。
このとき一番問題になるのが血管の内側に付くコレステロールなどの過酸化物質…。これらはいわゆる「血管のサビ」で、血液の通り道を狭くして血液の流れを悪くして、様々な病気を引き起こします。過酸化物質を作り出しているのが活性酸素ですが、活性酸素は体内でいつも作り出されています。
体内で発生した活性酸素にいち早く反応し、サビの元を抑え、血液のサラサラ状態を維持すれば、遺伝的な要因にもうち勝つことができます。
つまり、「腎精」を補うこと(補腎)、サビの元を退治し血液の流れを良くすること(活血)が、老化を遅らせて若々しく生活するためのポイントであると中医学では考えます。