こんにちは。
外気温の高い屋外から部屋に入って間もなくくしゃみが出だして、さらさらの鼻水が出てしまう…。逆に暖かい屋内から寒い屋外へ出た後にもこのような現象が起こりがちです。
また、鍋ものやうどんなど温かいものを食べると鼻水が出ることもよくあります。お風呂上がりに、すぐ皮膚が痒くなる…こともよく聞きます。
これは、温度差アレルギーで、寒冷蕁麻疹(かんれいじんましん)と同じ病気と言われています。実は、温度差アレルギー(鼻炎)というのは、医学的には『血管運動性鼻炎』と呼ばれていて、アレルゲンを見いだせないものを指します。
このように風邪や花粉症、アレルギー性鼻炎でもないのに鼻水が出るという人は、温度差アレルギーの疑いがあるそうです。
一方、元々アレルギー性鼻炎の持病を持つ人は、このような反応がもっと激しいかもしれません。
血管運動性鼻炎のハッキリした原因は不明です。
しかし、外気の急激な温度変化により、鼻の粘膜の毛細血管の収縮、拡張が繰り返して、鼻の自律神経の働きが乱れて、このような症状が起こりやすいのではないかという仮説があります。同様に、煙や、香水など匂いの刺激でも、同じ症状を起こすこともあります。
発病原因が明確ではありませんが、病気の部位は鼻の粘膜にあり、粘膜は中医学では「衛気(えき)」と関連があると考えます。
衛気とは、粘膜を含む体表に巡らせるバリアのことです。
衛気には防護作用があり、皮膚や粘膜、体を守るもので、不足すると防護作用が弱くなり、何か刺激が与えられると反応してしまい、温度差はもちろんのこと、粉塵、煙、匂いにまで敏感になってしまします。
衛気は体内の一つのエネルギーでもあり、中医学では、衛気不足は気虚に属するものと考えています。不足する場合には補うことが必要で、補気薬の代表である『黄耆』(おうぎ)を良く使います。
黄耆が配合されている代表方剤は「衛益顆粒(えいえきかりゅう)」です。
なお、粘膜を強化する食品には「紅沙棘(ほんさーじ)」があり、天然の不飽和脂肪酸、ビタミンEなどもたっぷり含まれ、刺激により発生した粘膜の分泌液の増加などの症状に使用すると良いでしょう。
温度差鼻炎は体質にも関係するので、冷えやすいタイプや冷房に弱いタイプは、体を温め、体質を改善する方法もあります。
中医学では、未病先防(みびょうせんぼう)を提唱していますので、体を作り、軽い症状がある時には素早くを対応することが一番大事だと考えています。
温度差アレルギー、鼻炎の方に上述の中成薬や健康食品で予防、対処をすれば、温度差による諸症状の悩みを軽減することができ、マスクがない生活を楽しめることでしょう。