こんにちは。
中医学には「医食同源」「薬食同源」という言葉があります。多くの人が、体に良い食事の摂り方や、病気を早く治すための食事に関して注意したいポイントなどに興味をもっています。
テレビや雑誌などにも多くの特集が組まれたりもしていますが、これらの情報がどれだけ自分自身の体質や体の状態にあった情報なのかはよく分からないのではないでしょうか?
食事については、自分の体質や体の仕組み、それぞれの食材の性質を知ることがとても大切です。
失われつつある食材の旬
ボクたちの周りではここ十数年の間に「食」を取り巻く環境が変わっています。大きく変わったことは「食材の旬」が分かりにくくなったことと、「遠隔地の食材」が増えたことかもしれません。
このことは食卓に季節感がなくなったことだけでなく、体に備わった自然の力が発揮されにくくなっている原因と考えられます。
冷たいものの摂り過ぎ
アイスクリームや冷たいものを年中摂る方が増えています。1年中冷たいものをくちにしていませんか?
人間の体は36度の体温があり、胃腸系は特にこの温度が「消化酵素の働き方」にとても大きな意味があります。
この温度が下がると消化力が落ちるだけでなく、新陳代謝が悪くなる原因にもなります。
水の摂り過ぎ、水の飲み方の変化
血液をサラサラにするために水を1日数リットル飲んだ方が良いと思っていませんか?
この数リットル飲むということは、どれくらいの体格の人に当てはまることでしょうか?
水分を多く摂ると、体の中でこの水分を「体に残すか」「外に排泄するか」という仕事をしますが、あまり水分を摂り過ぎると、この仕事の量は増えてしまいます。特に腎臓は大変な仕事量をこなすことになります。
また、最近ではペットボトルなどから直接水分を飲む人が増えていますが、これも水分を一気に胃の中に入れることになり、胃拡張や、胃酸の薄まりということを起こしやすくなります。ラッパ飲みをすると大きな負担がかかります。コップやグラスを使って飲むように。
油もの、油を使った物の食べ過ぎ
油を使った料理がごくごく日常的に食べられています。そのため、食材を煮たり焼いたりして食べることが少なくなってきました。
油を使った料理は、以前ならご馳走として食されていたものだったそうですが、今では油を使わないと献立が思い浮かばないという人が多くなっています。
油は体に吸収されるときに、門脈という特別な通り道を使って肝臓に運ばれますが、ここで交通渋滞を起こしている人が非常に増えてきているのだとか。
これが続くと内臓に脂肪がついたり、血液中のコレステロールや中性脂肪が増えたりします。また、アレルギーやアトピーの方も油分からできる「過酸化脂質」が症状を悪化させるものとして指摘されています。
健康食品について
ここ数年、健康食品はとても増えました。体に良さそうということから人気もありますが、健康食品も摂り方によっては「良い悪い」があります。
また、健康食品は原料が天然素材であっても加工された段階で「加工食品」になっていることも忘れてはいけないと思います。
栄養素を補うものなどは「自然界には存在しない」純度や濃度で特定の栄養素が体内に入ることになります。
野菜を食べることについて
バランス良く食事を摂る上で野菜は欠かせません。しかし最近、野菜を注意して選ばないといけない時代になっているのだとか。
ある調査では、主要国の中で、日本人が年間通して食べる野菜の平均量が108kgで、よく野菜を食べる韓国や中国の人たちの半分しか食べていない…というデータがあるそうです。アメリカ人が117kgで、それよりも少なくなっているのだとか…。
また、日本の野菜の栄養価が大きく下がっていることも問題です。
野菜はビタミン、ミネラル、微量元素、食物繊維を大地からいただける大切な食材です。できるだけ多くの種類をきちんと調理してよく噛んで食べることを心掛けましょう。
また、野菜には「葉物」「根菜類」「果実野菜」などがありますが、自分の体質や季節に合わせてどの種類を食べれば体に良いか、また逆に負担になったりするか、野菜の部位の特徴を考えて食べるのも大事です。
野菜の部位の特徴について

根菜類(根のもの野菜)…ニンジン、ごぼう、レンコンなど。
栄養が豊富。線維が硬めなので、腸の動きが悪い人の便秘時には摂り過ぎに注意。体力が落ちているときには多めに摂ると良いです。

茎のもの野菜…ふき、ネギなど。
薬味として使われたりします。野菜によっては「旬」がハッキリしています。春野菜などは神経や体の活性に使われたりします。

葉物野菜…ほうれんそう、小松菜、白菜など。
沢山食べることが大切な部分です。日本人があまり摂らなくなっている部分でもあります。生で食べるよりも、加熱したり、漬物にしたりすると、抵抗なく沢山食べることができます。口から腸までのお掃除のつもりで毎日適量に食べることが大切です。
果実野菜…トマト、ピーマン、きゅうりなど。

年中手に入るようになりましたが、季節感が大切です。また意外とカロリーがあることにも注意です。繊維質が少なめなので、他の部位と組み合わせて食べると良いです。
昔ながらの調理法が野菜を摂るには理にかなっていることが多いです。ジュースや健康食品はあくまでも補助と考え、おかずとしての野菜の摂り方に配慮を…。