こんにちは。
ビワを沢山いただきました。
ビワは夏の果物で、気管を潤し、カゼによる咳を鎮める…という性質があります。
その葉の形が楽器の「琵琶」に似ていることから、その名が付いたそうですが、ビワの葉も有名な漢方薬です。味は苦く、涼性で、咳痰や嘔吐、暑気あたりなどに用いられます。
先日の山口中医薬研究会での韓笑先生のお話にも、ビワの話が出てきました。
中国では今、漢方が「いい物かどうか…」という論争があるそうです。一部で「漢方が効かない…」という声が出ているんだとか。
以前はビワの葉と貝母(ばいも)を合わせると、咳止めにすごく効果があったのに、以前ほど効かなくなっている…。有名な老中医が使っても思うように効かなかったそうです。
その原因を探るため、その老中医は薬局、病院、工場に行って調査されたそうですが、問題は「作り方」にあったそうです。
新鮮な葉の裏にある毛をハケで除き、20枚を1束にして繰り返し干す…。乾燥した葉を工場でハチミツと一緒に炒めます。ビワの葉とビワの皮には少量の毒がありますが、ハチミツで炒めることにより毒を中和するわけです。その毒が薬となるわけですが、薬効を残しつつ毒を中和するこの作業は、非常に手間の掛かります。
大病院となると、1日に使用される生薬は全体で10tだそうで、手間暇掛けた作り方ができていなかったことが、効き目に影響していたようです。実際、老中医が自分で作ってお孫さんに飲ませたら一発で効いたんだとか…。
同じ生薬を使っても、「作り方」により薬の効き目が大きく変わることに驚きました。