こんにちは。
お盆はどのように過ごされましたでしょうか…。
ウチは弟夫婦が来たり、岡村家が集まったりで、食べ事の多いお盆となりました。
中医学で脾胃(消化器系)は「後天(こうてん)の本」と言われています。「後天の本」とは、脾胃が飲食物を消化吸収して、その栄養物質を全身へ運び、ボクたちの全てのエネルギー源となり、体の健康維持に最も重要な役割を果たしている…ことを意味しています。
脾胃のはたらきが低下すると、生命力を維持するエネルギーが不足し、心身ともに疲れやすくなります。また、食欲不振、胃もたれ、睡眠障害、無気力、下痢、残便感、免疫力低下など、様々な症状もあらわれます。
飽食の時代、ボクたち現代人は食べ過ぎで脾胃の負担が重くなり、常に疲弊状態になりがちです。胃腸は365日、休まずにはたらいている臓器…。まさに「体の中心軸」と言えます。
ついつい食べ過ぎたり飲み過ぎたりが続くと、「食積(しょくせき)」といって、食べ物が胃腸に停滞し消化できていない状態が起こり、様々な不調の原因となります。
そんなとき、消化を助けてくれる有名な生薬に「山楂子(さんざし)」があります。中国では、これを加工したお菓子などが日常的によく食べられています。
「山楂子」は、清朝・西太后(せいたいごう)が食欲不振、胃もたれ、お腹の張りなど胃腸の調子が悪いとき、炒った「山楂子」の入った漢方薬を服用した…という記録が残っています。西太后は豪華で贅沢な料理が大好きだったそうです。
現代中医学では高脂血症、コレステロール、中性脂肪が高いときによく使われているようです。
また、「山楂子」を入れると肉が柔らかくなることから、肉料理を作るときにも利用されています。
その他、「麦芽(ばくが)」「神曲(しんぎく)」にも消化液の分泌を促進するはたらきがあります。
酸っぱい「山楂子」には、脂肪分の消化を助け、食欲を増進するはたらきがあります。「神曲」は小麦粉、麹(ふすま)などを混ぜ合わせて発酵させたもので、「麦芽」とともに米や麺、パンなどのデンプン類の消化を助けます。
「山楂子」「麦芽」「神曲」…そのはたらきの素晴らしさから仙人に例えられ、「三仙」と呼ばれています。
炒めて加工することで、食物を消化する力が強化されることから、加工された「焦三仙(しょうさんせん)」として利用されます。
「焦三仙」は、このようにどんな食べ物の消化にも適していますが、日本ではエキスタイプの「晶三仙」として販売されています。