こんにちは。
中医学では「夏季遠熱、冬季遠寒」という言い方があるように、夏はなるべく「熱性の薬」を避け、冬は「寒性の薬」は慎重に…というのが原則となっています。
薬性は「寒性・涼性・平性・温性・熱性」に大別でき、温熱薬は寒証に、寒涼薬は熱証にそれぞれ用い、平性のものはどちらにも使えます…。
気温が高く、陽気の盛んな夏場は、内臓の機能も活発で、口渇、手足のほてり、のぼせ、便秘、口内炎、尿の色が濃くなる…といった「熱症状」が出やすくなります。このため、この時季に温熱性の薬を大量に服用すると、内臓の熱が過剰になり、熱症状がひどくなったり、鼻血が出たりすることがあります…。
よく病院で漢方薬が処方される場合、一年中同じ処方が出ているケースがよくあります。
漢方薬は「長くのまないと効かない…」「副作用がない…」ということで処方されるのでしょうが、30℃を超えるような暑い時期に、熱性、温性の漢方薬を服用するのは、その効果よりも副作用の方が心配です…。
先日も「最近、背中のあたりが暑くなってきた…」という方がいらっしゃいましたが、その方も長期に熱性、温性の漢方薬を服用されていらっしゃいました。その方には、減薬、休薬をしていただくように指導しましたが、こういったケースは意外にあると思います。
話は脱線しますが、先日ウチの薬局のパソコンですが壊れました。掃除を怠り、通気口にホコリが詰まって冷却できなくなり、パソコンが異常に熱くなっていました。冬の間はそれでよかったのですが、暖かくなるとその熱が原因でパソコンがおかしくなり、壊れてしまった…というわけです。
それに似ているかな…と思います。
薬を選ぶ際には、気候と臓腑の関係を考える必要があると思います。