こんにちは。
湿気の多い梅雨どきは、部屋の中の空気も重苦しく澱みがちで、カビなどの真菌や細菌などの繁殖が盛んになります。
ボクたちの体も自然界と同じように、ジメジメした環境の中では体内に「湿(病理的な水)」がたまりやすく、気分がスッキリしない、食欲不振、全身がけだるい、疲労倦怠感…といった症状を訴えることが多くなります。
また、腸内の細菌なども繁殖しやすく、そのバランスが崩れると、様々な胃腸障害を引き起こすことにもなります。
「湿」は外的な要因の他にも、ストレスや冷たいものの摂り過ぎなどにも生じます。
この場合の「湿」の影響は、浮腫みのように目に見えるもの…というよりは、水分が土にしみ込んでジメジメした状態や、部屋に汚れた蒸気が充満したようなイメージです。
その特徴として、舌にベットリ汚い苔がつく、皮膚の表面の汚れたような感じ、不快な体臭がある、尿が濁る、便が粘る…などの症状が出てきます。
このような体内にモヤモヤした感じで停滞する湿気に対しては「五苓散(ごれいさん)」のような利尿作用のある…いわゆる水を抜くような処方ではあまり効果がないようです。水蒸気ではなく、溜まった水を取り除くには有効のようですが…。
ふつう、湿った部屋をカラッと乾燥させ、不快な臭いを取り除きたい場合、ボクたちは除湿器や芳香性の消臭剤を使うと思います。
同じように、体内のモヤモヤした湿気を取り除くには、「藿香(かっこう)」「紫蘇葉(しそよう)」などの芳香化湿薬からなる「勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)」がその役目を果たしてくれます。「勝湿顆粒」は体の中のモヤモヤした湿気を取り払う脱臭剤付き除湿機のような漢方薬です。
先日も、この梅雨時期から胃腸の調子が落ちていた人のご相談を受けました。「湿」が胃腸のはたらきを落としていると判断し、「勝湿顆粒」を服用していただくことでムカムカした症状も治まっていきました。この場合、落ちてしまった胃腸を元気にしてあげる漢方薬も必要だと思います。