こんにちは。

現代の栄養学では、食物に含まれる栄養素…タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミンで分類します。

中医学では、この分類とは違った方法をとります。全ての食物は「性質と味」をもっていて、それによって分類します。食物の「性質と味」を合わせて「性味(せいみ)」と一括して食物をとらえるわけです。

「性味」の「性」は性質のことですが、「寒、涼、平、温、熱」に分類することができます。

寒性の食物は、涼性のものよりさらに冷たいもの、熱性の食物は温性のものよりもっと熱いものです。

寒、涼のものは、体を冷やすもの…。熱があるときに、寒の性質をつかって熱を冷ますためにつかいます。熱性の疾患に対して、寒涼の薬をつかいます。

同じく食物でも寒性、涼性のものを選択します。この場合は、体温が上がっていなくても、熱感があるだけでも熱ととらえます。

たとえば、体が熱く感じたり、体温が上がっているときには、キュウリ、トマト、ゴーヤ、スイカ、ダイコンなどの涼性の食物をとると熱が下がりやすくなり、薬の補助的な効果が期待できるわけです。比較的、今が旬の夏野菜に涼性の食物が多いです。

温、熱の食物は、体を温めるはたらきをもっています。体が寒い状態のときには、温、熱の食物によって温めます。

体が冷えやすい、冷たいと感じるときは、ラムの肉、鶏肉、桃、サクランボなどが、体を冷えないようにしてくれます。

もちろん、食物の効果はそれほど強いものではありません…。それでも、1日3食を合わせると、その量は1000g以上になります。

薬をつかっているときでも、食物を補助的にに利用することは、病気の改善の効果にも影響があると思います。