こんにちは。
気管支喘息やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患は、近年増加し続けているようです。
西洋医学では、抗アレルギー剤や気管支拡張剤、ステロイド剤などで治療をされます。症状は緩和しますが、体の根本的な改善する…ということでなく、治療は長期間に及びやすい…と言われています。
アレルギー反応は、環境の変化、外的な刺激から身を守るはたらきが、異常に反応をしてしまう現象のこと。
中医学では、外部から身を守るはたらきは、五臓の「肺(はい)」が担っていると考えています。
気管支喘息では「呼吸器」、アレルギー性鼻炎は「鼻」、アトピー皮膚炎は「皮膚」と出る場所は違いますが、「呼吸器」「鼻」「皮膚」…いずれも中医学では「肺」と関係が深い場所です。
「肺は華蓋(かがい)を為す」…という言葉があります。
華蓋とは、花のように美しい衣笠のこと。中国ではその昔、皇帝など身分の高い人物が乗る輿には、日射しや雨、風、ほこりなどから守るために華蓋が使われました。
「肺」の位置は五臓の一番上にあり、そののかたちは傘のような感じで、ほかの臓腑を覆っています。また、「肺」は体表とも連絡し、体表のバリアである「衛気(えき)」とも密接な関係があります。
気温や湿度、風などの気候変化や外界の環境変化は、真っ先に「呼吸器」や「皮膚」の粘膜が影響を受けますが、言い換えれば、これは「肺」が他の臓腑に先駆けて影響を受けるということ。そのため、「肺」は華蓋に例えられるわけです。
すなわち「呼吸器」も「鼻」も「皮膚」も、「肺」に属するわけで、アレルギーの漢方治療の原則は、体の最も表層にある「肺」と体の深部との連絡を正常にすることが目的となります。