こんにちは。
よく「季節に合わせた養生」というコトバを耳にします。
中医学では「天人合一(てんじんごういつ)」と言って、自然界の陰陽の変化に従いボクたちの体の陰陽も変化していく…という考えがあります。
日本には四季がありますが、中医学では五行説から「長夏(ちょうか)」を含め五季で考えます。ですから、春、夏、長夏、秋、冬…という順番です。
春は「陰が徐々に弱く、陽が強くなる時期」、夏は「陽気がもっとも強く、陰が弱まる時期」、長夏は「徐々に陰が生長し、陽が減少していく時期」、秋は「陽盛から陰盛に変わる重要な時期」、冬は「陰が盛んで、陽が弱くなる時期」です。
陰と陽が逆転する「陰陽転化」の時期が春と秋にあるのですが、晩春から長夏まで陽が強く、秋から早春までは陰が強い…ということになります。
五臓のはたらきもこれに合わせて変化し、春は「肝(かん)」、夏は「心(しん)」、長夏は「脾(ひ)」、秋は「肺(はい)」、冬は「腎(じん)」への影響が出やすくなります。
春
春は「陰から陽」「静から動」に変わる季節です。陽気が強まり、精神が高揚しやすくなります。そのため、春は精神的な疾患が増えやすくなります。
春の養生は
- 気の流れを良くする
- 肝を養うことで高ぶった陽気をしずめる
夏
夏は1年で最も暑くなりますが、ボクたちの陽気も旺盛になります。拍動や発汗量が増え、心のはたらきも活発になります。夏バテ、熱中症などに注意な季節です。
夏の養生は
- 体にこもった熱を冷ます
- 水分やミネラルを補給する
長夏
長夏は長雨により、内湿が溜まるため、脾に影響が出やすい季節です。食欲不振など、消化器に影響が出やすくなります。
長夏の養生は
- 脾の運化機能低下を補う
- 気を巡らせ、内湿を取り除く
秋
秋は残暑と乾燥の影響から、体の「津液(水)」が不足となります。ゼンソクやアトピー性皮膚炎など、アレルギー疾患が出やすい季節です。
秋の養生は
- 体内の乾燥を防ぐ
- 体を温め、肺気を養う
冬
冬は寒さにより、体が冷える季節です。また空気が乾燥するため、カゼを引きやすくなります。
冬の養生は
- 腎を温め、カゼを予防すること
季節に影響され変化するボクたちの体は、季節ごとの養生を行うことで、健康に近づくことができると中医学では考えます。