こんにちは。

ボクたちの体は様々な環境に適応できるように、常にバランスを保っています。

例えば、暑い場所に行ったり、寒い場所に行ったりしても体温は一緒。変わりません。これは、どちらも変わりなく平熱を保てるように体が調整してくれているからです。

こういった働きを「恒常性の維持」と言います。中医学で言う「中庸(ちゅうよう)」なのではないでしょうか…。

この働きに大きく関係しているのが「自律神経(交感神経・副交感神経)」「免疫力(病気とたたかう力)」「内分泌(ホルモン)」です。

「自律神経」「免疫力」「内分泌」が相互に働いて、輪のバランスを保っていますが、ストレスなどが原因でこのバランスが悪くなり、様々な症状が出てきます。

その代表的なものが「自律神経失調症」…。自律神経失調症とは、自覚症状があるのに検査しても異常がない、原因がよく分からないときに付けられる病名です。ですから、他人からは病気に見られず本人だけが苦しんでいることが多いと言えます。

特に、春は精神的に不安定になりやすく、ストレスを受けやすい季節…。

自律神経が乱れるとホルモンバランスが崩れて、ホルモンのバランスが崩れるともっと自律神経が乱れるという、悪循環に陥ってしまいかねないわけです。

自律神経の末端は各臓器と言っても過言でないように、私たちが普段意識して動かしたりはしていない心臓や肺の活動、また睡眠や体の様々な機能調節に関係しているので、現代のストレス社会において「目で見て嫌なこと」「聞いて嫌なこと」「心の不安」などで影響を大きく受けてバランスを崩してしまうものです。

中医学で言えば、自律神経(肝)とホルモンのバランス(腎)の関係です。自律神経とホルモンのバランスは密接な関係にあります。

ストレスにより、「肝」の機能が低下してくると、気の流れの調節が上手くいかなくなり、気が滞ります。それを上手にさばけないと、体の各所に影響が出て来ると考えます…。春は気温の変化や、新しい環境でのストレスで、「肝」の気を巡らせるはたらきを衰えさせることで、心身のバランスが乱れやすくなります…。

ですから、ストレスを上手にコントロールして、「肝」と「腎」のバランスを整えメンタルヘルスに努めることが、春の養生のポイントになります。