こんにちは。
中医学では、人間の体は「気」「血」「津液(水)」で構成されている…と考えます。
この中の「気」とはエネルギーのこと。目には見えないですが、内臓や組織、器官のはたらきを活発にして、生命活動を支えます。情報を伝え、体全体のバランスを整える情報伝達物質でもあります。家電でいうところの「電気」のような存在です。「電気」にも「気」の文字が入っていますし…。
エネルギーとしての気は、内臓の生理機能を行う上での活動源となります。
伝達物質としての気は、主に肝臓によってコントロールされていて、「肝気(かんき)」と呼ばれています。
ストレスが加わると、肝の気の流れが悪くなり、「気滞(きたい)」という状態が発生します。
気滞とは「気の交通渋滞」で、イライラする、胸や脇辺りが脹ったような詰まった感じがする、お腹が脹りガスやゲップが多い、頭が脹ったように痛む…などの症状があらわれます。
女性の「月経前症候群(PMS)」(月経前3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状)は、中医学からみて気滞の症状と考えられます。
気滞はエネルギーが1ヶ所にうっ滞した状態なので、これがすすんで行くと「熱」を生じるようになります。
「熱」はやがて上に向って燃え広がり、のぼせ、顔や目が赤い、動悸、息苦しい、イライラして気持ちが落ち着かない、不眠、頭痛…などの症状が起きることも。
皮膚のトラブルも、この「熱」をキッカケにして起こることがあります。
たとえば、就職や職場が変わるなどの環境の変化によって、その引き金が引かれることが少なくありません。受験生にも見られます。
ですから、ストレスは大人の皮膚病の原因の1つと考えています。
このような場合、中医学では気滞を改善する「理気薬(りきやく)」あるいは「疏肝薬(そかんやく)」と呼ばれる漢方薬で、肝気の流れをスムーズにするようにします。