こんにちは。
口が渇く「ドライマウス」、目が乾く「ドライアイ」、膣が乾く「ドライバジャルナ」、「シェーグレン症候群」など、全身の乾燥症状を「ドライシンドローム」と呼ばれています。
ボクたちの体の大半が水分です。中医学では、これらの水を「津液」とも言います。この津液が不足、あるいは損失してしまうと、体の乾燥状態になります。その乾燥状態がドライシンドロームと考えます。
その乾燥はどこから来るのか…。中医学では「燥邪(そうじゃ)」による発病と考えています。そして、燥邪には「外因(外燥)」と「内因(内燥)」というところを考える必要があると思います。
外因は外界から受ける乾燥で、乾燥しやすいこれからの時期は、この影響を受けやすくなります。先日の劉伶(りゅうれい)先生のミニ講演会の中にも、秋は乾燥の時期であることが紹介されました。
内因は内側からの乾燥で、加齢や高熱や嘔吐、下痢、発汗…など脱水状態となったときに起こりやすくなります。津液が不足することで、粘膜や内臓が潤されなくなります。
特に関係の深い臓器としては「肺」「脾」「腎」。そのため、ドライシンドロームの弁証論治として考える場合は、「肺陰虚」「脾胃陰虚」「肝腎陰虚」などに分類できると思います。
肺陰虚
カラ咳、喀痰(少量、ネバネバ、血が混じる)、ドライマウス(口渇、唇や鼻の乾燥、のどのイガイガ、のどの痒み)、ドライスキン(肌荒れ、痒み)、しゃがれ声など。
脾胃陰虚
お腹は減るが食べたくない、口の乾き(ドライマウス)、口内炎、口臭、のどが詰まった感じ、切れにくい痰、慢性的な胃の鈍痛、便秘気味など。
肝腎陰虚
目のかすみと乾燥感(ドライアイ)、口や舌の乾燥(ドライマウス)、五心煩熱(手のひらや足の裏のほてり)、のぼせ、めまい、髪の毛がカサカサ、便秘、寝汗など。
ドライシンドロームの起こる背景として、エアコンによる冷暖房や、ストレス社会、コンピュータ社会、高齢社会、口呼吸、よく噛まない食生活、コンタクトレンズの使用、体の洗いすぎ…といった様々なことが影響あると思います。
そういった生活全般を含めて考えながら、対応していく必要があるのかな…と思います。