こんにちは。
漢方薬の「人参」というと、日本では「朝鮮人参」「高麗人参」と呼ばれている朝鮮人参が一般的に知られていますが、暑いこの時期に「元気をつけよう!」と思って、服用すると、のぼせやほてり感が出る場合があります。
それは「朝鮮人参」の温性が強いため、血圧が高い、のぼせやすい人には不向きだということです。
そんな人には「西洋人参」が向いています。強い強壮作用を発揮する薬は頭にも血が昇ってのぼせ気味になりがちですが、性質が涼性である「西洋人参」は、体のはたらきは元気にしながらも、中枢神経を抑制し、鎮静化させます。
中枢神経を鎮静化させ、体に気(エネルギー)を充填させるというはたらきに加えて、体液の代謝をスムーズにする…という作用もあります。ボクたちの体の70%は水分ですが、「西洋人参」は栄養分に富んだ水分を生み出し、体液を補給します。
「西洋人参」は「朝鮮人参」に比べると確かに補気作用(元気をつける)は少し弱いですが、そういった理由で、体力の低下したお年寄りや、病後・術後の回復期などには、穏やかに気を補い、体を潤す作用のある「西洋人参」の方が適しています。
「西洋人参」は、「涼性」で「潤す」というのがポイントです。
慢性喘息、久病(長く患った病気、慢性病)は虚火内生し、肺の経絡を傷つけ、肺の静粛性を失う…とあります。長引いたカゼなどでは、肺を犯し、カラ咳や、小痰あるいは血が混じっている、寝汗、声が小さい…などの症状になることがあります。
長引くセキは気を消耗し、陰を消耗します。闇雲にセキ止めばかりを飲む…というのはかえって逆効果のことがあります。そんな長引くセキには、「涼性」で「潤す」ことが大事です。
その他に「西洋人参」が適しているのは、糖尿病、高血圧、更年期症状、夏バテ、スポーツ、精神不安、イライラ、のどの渇き、ほてり、のぼせ、寝汗など…。
「涼性」で「潤す」はたらきの「西洋人参」は、暑い夏、乾燥する秋、冬に向けておススメの人参です。