こんにちは。

最近、スーパーなどでも油のコーナーが充実していますが、特に亜麻仁油、エゴマ油、魚油(EPA、DHA)などに含まれるαーリノレン酸を多く含む「オメガ3系」脂肪酸が注目されています。

この油は「コレステロールを下げる(悪玉コレステロールを下げる)」「中性脂肪を下げる」「動脈硬化、心筋梗塞の予防」「高血圧の予防、高脂血症の予防」などに効果があると期待されています。心臓疾患のリスクを減らせる…と期待されています。積極的にとりたい油…ということで、生活習慣病の予防に期待されています。

一方で、食べてはいけない油…として、トランス脂肪酸が言われています。マーガリンやショートニングなどに含まれています。悪玉コレステロールを増加させ、心疾患、動脈硬化のリスクを高める恐れがある…と言われています。

このトランス脂肪酸が含まれる食品は多く、食パンや菓子パン、ケーキやクッキー、ドーナツなどの袋の裏を見てみると、原材料名の中に大体書いてあります。

ボクも買うときは気を付けて見ていますが、書いてないのが少ないくらいです。だから入っていても買うことはありますが、それでもなるべく避けるようにしています。

FDA(米食品医薬品局)は、2015年6月16日、3年間の猶予期間を経た2018年6月以降は、トランス脂肪酸を生成する油脂の使用を原則禁止する…という方針を発表しました。

150806_1
トランス脂肪酸

トランス脂肪酸に関しては、すでに先進国の多くが食品への含有量を制限したり、含有量の表示を義務付けられたりしているようですが、日本は規制されていなくて、表示の義務や含有量に関する基準もないようで、これから議論がされてくるものと考えます。

トランス脂肪酸は「不飽和脂肪酸」に分類されています。不飽和脂肪酸はさらに、炭素の二重結合のまわりの構造の違いにより、「シス(cis)型」と「トランス(trans)型」の2種類に分けられます。そして「トランス型」の二重結合が1つ以上ある不飽和脂肪酸をまとめてトランス脂肪酸…と呼んでいます。

天然の不飽和脂肪酸のほとんどは「シス型」です。牛や羊などの反芻運動では胃の中で微生物のはたらきにより「トランス型」がつくられるそうで、「トランス型」もごく微量に牛肉や乳製品に含まれることがあるそうですが…。

それでも「トランス型」のほとんどは、常温で液体の植物油などを固める加工過程などで人工的に生成されています。つまり、不自然な油…ということです。

このトランス脂肪酸を摂り過ぎると血液中に悪玉コレステロールが増え、善玉のコレステロールが減って、心臓病のリスクが高まる…という報告があるため、WHO(世界保健機構)は、トランス脂肪酸の摂取を総エネルギー摂取量の1%未満に抑えるように目標値を設定しました。それでも、色んな食品に入っているので、目標値を上回る可能性は十分あります。

トランス脂肪酸はアレルギー疾患や不妊症の原因にもなると言われてもいます。

食べ物によって病気を予防したり、逆に病気を作ったり…。ボクたちの身の回りには、油を使ったものが多くあります。表示を見て、油にも注意が必要であると認識をすることが大切になってくると思います。