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「知っている人には宝、知らない人にはただの雑草」…漢方薬には、こんな例が少なくありません。

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肌のトラブルに関して、いの一番にランクされる「五行草」もその一つです。

名前の由来はその姿、形にあり、葉が青、茎は赤、花は黄、実は黒、根は白で、中国の五行論にちなんで「五行草」と名付けられました。また、葉の形状が馬の歯を削ったように見えることから「馬歯莧(ばしけん)」、日本では「スベリヒユ」とも呼ばれています。

そんな「五行草」の薬理作用は多彩です。

「五行草」は腸内細菌のバランスを整えて整腸効果があるので、乾燥して煎じてのめば、腹痛、下痢、湿疹、皮膚炎、おでき、ニキビ、いぼなどに効きます。また、湿疹や虫さされにはエキスで湿布するなど外用として使います。

日本も江戸時代には、「五行草」はニキビの治療薬としてとてもポピュラーな存在だったようです。

西洋でも民間では胃腸薬、便秘薬として愛用され、また食材として食卓にものぼるそうです。

最近の研究によると、この「五行草」…脂肪酸の「オメガ3系」を増やし、「オメガ6系」を減らす効果があることが動物実験で分かっています。それは偶然の発見なんだそうですが、「脂肪酸についても調べてみよう…」ということで、調べてみたらそうだったようです。

脂肪酸についてですが、「オメガ6系」にはアレルギー促進や炎症促進、血栓促進作用があり、「オメガ6系」過多の食生活がアトピーや花粉症などのアレルギー症状の悪化や不調の原因のひとつになっていると言われています。一方で「オメガ3系」は、アレルギー抑制、炎症抑制、血栓抑制とまったくその逆のはたらきがあるため、しっかり摂ることが推奨されています。

「五行草」が「オメガ3系」を増やし「オメガ6系」を減らす…ということは、つまりはアレルギー抑制、炎症抑制、血栓抑制につながるものであるということです。

まさに「五行草」は「知っている人には宝、知らない人にはただの雑草」でしょう。