こんにちは。
体表部の壁として、全身を守るという重要な役割をもつのが皮膚…。皮膚の総面積は約1.6㎡、体重の平均約16%、厚さは約2~4㎜あると言われています。
皮膚のはたらきとしては、「保護作用」「体温調節」「分泌排泄・老廃物の排泄」「知覚作用」「経皮吸収」「呼吸作用」…などです。
特に「保護作用」…皮膚が損傷すると色々な刺激物質が侵入して皮膚病を引き起こします。それを防ぐためには、皮膚の保護が必要となります。
しかし、皮膚というものは独立して存在するものではありません。皮膚に栄養を与え、その機能を十分に発揮させるためには、体内の神経、内分泌・免疫系統および内臓からコントロールすることが必要となります。
中医学の理論では、皮膚が内臓と密接な関係をもつことから、「皮膚は内臓の鏡」と言われます。
皮膚病の原因は、内臓が衰弱したり、内臓間のバランスがとれなくなったり…などの体質によって決まるから…ということによります。
そのため、漢方薬などを上手に利用し、衰弱した内臓を強くし、バランスを取り戻すなど体質の調整、改善により皮膚を強くしていくことは、有効なことだと考えます。
アレルギー性の皮膚炎を起こすようなときは、体質に異常があったり、体が過敏に反応しやすい状態にある…ということを教えてくれているのです。そうした体質の改善こそ、中医学が得意とする分野であると言えます。
特に最近、アレルギー性疾患の発症率が増加している…と言われています。「なでアレルギー性疾患が増えるか…」。この疑問に対する完璧な答えはないかもしれませんが、ボクたちの生活環境が変化することと大きく関連していることは確かなことだと思います。
生活環境としては、住環境が飛躍的に進歩したことに起因する…とも言われます。高密度性住宅が、ダニ、ハウスダストなどの環境アレルゲンの増加を促している…ということです。
この地球上には人工的につくられた化学物質が8万種類以上あると言われますが、それらの物質の中には、ボクたちの体内にあるホルモンと構造やホルモンと構造や作用が似ているものがあり、「環境ホルモン」と呼ばれます。これらも、内分泌系、免疫系、神経系をかく乱する…とも言われます。
それと食生活…。欧米式の食生活が進み、異種タンパクの摂り過ぎを招いて食物アレルゲンを増加させることが分かっています。
現代社会の様々なストレスも内分泌と免疫機能バランスを崩す大きな要因でもあると言われます。
そんな生活環境の中にあっても、本来ボクたちの体は外部から侵入したものに抵抗したり、消去したりする免疫システムを備えています。しかし、この免疫システムに異常が起こると、外部に対する過剰反応を起こしたり、自分自身を攻撃したり…アレルギー反応を起こしてしまいます。
この解決に対して、漢方薬という選択肢があり、改善の近道であると考えます。