中医学では、体のはたらきを「肝」「心」「脾」「肺」「腎」の五臓を中心として考えます。
その中の「心」は、 血液を全身に循環させる臓器です。
中医学では、心や感情などの精神活動、意識、思考などもつかさどる臓器と考えられています。「心」が弱ると、血液循環や精神状態が悪くなり、動悸や不整脈、不眠、多夢、イライラ…などがあらわれやすくなります。
中医学では、感情に左右されず精神的に安定させる治療法に「清心(せいしん)」という方法があります。
「清心」を必要とするのは「舌に口内炎ができやすい」「心配性でそわそわしている」…などの症状がある人。
舌は「心」の関係の深い器官で、「心」のはたらきが乱れると、舌の先がピリピリしたり赤くなったりすることがあります。また、感情ををコントロールする「心」のはたらきが乱れると、気持ちが不安定になり、あれこれと心配しがちに…。
「心」は体中に「血」を巡らせるほか、「肝」と同様に感情や意識を調節する機能です。深く落ち込んだり喜びのあまりはしゃいだり…感情的に行動していると「心」のはたらきが乱れ、のぼせとともにめまいが起きたり、集中力の低下や不眠を招くことがあります。
のぼせ感のあるイライラやめまいが起こる…という人は、「心」が「熱」をもっている状態。「熱」を鎮める「清心」が必要です。
中医学では、一般的に「苦味」のあるものは「心」に作用する…と言われています。利尿・消炎・解毒・鎮静・解熱作用があり、心臓、血管などの循環器のはたらきを良くし、高ぶった精神状態を鎮めます。高血圧、赤ら顔、怒りっぽい、不眠、多夢などの改善に…。摂りすぎると、胃腸の調子を崩すことになることも。
また「心」の五臓の色は「赤」なので、「赤い」食物も「心」にはたらきます…。
「清心」に効果のあるものには、ローズヒップティーなどのお茶。アスパラガスやレタスなどの野菜、桃やイチゴの果物、鶏のハツやマグロなどの肉・魚介類、ケチャップやワインビネガーなどの調味料などの食材も…。