こんにちは。
西洋医学では、アトピー性皮膚炎の痒みに対して抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤が使われます。しかし、痒みの原因はさまざまで、しかもアレルギーに起因しているものは「3割程度」…と言われいています。
多くの痒みは、皮膚のバリア機能の破綻が原因…です。これはアレルギーのせいではなくて、敏感になっている皮膚が問題…ということです。
アトピー性皮膚炎の場合、皮膚の問題として「水分保持能力の低下」「痒みの閾値(いきち)の低下」「易感染性」があげられます。
こうなると、アレルゲンになる「ダニ」や「埃」ではなくても、痒みの原因になり得ます。なので、風、気温の変化、紫外線、お風呂に入っても痒くなってしまいます。これは刺激が原因…問題は肌の状態です。
皮膚のベースが変わってくれば、痒みも変わってきます。
慢性段階の場合には、主に皮膚のベースを整えるような漢方薬が必要です。皮膚を正常な状態に戻すためです。
また、きちんとローション、クリームで保湿のためのスキンケアをしながら、痒みの対処をしていかないといけません。
アトピー性皮膚炎は「掻き壊し皮膚炎」とも言われています。
なるべく掻かないこと…これが大事ですが、「絶対に掻かない…」ことは大きなストレスです。本当に痒いときだけ、工夫をして掻く…ということです。
掻くということは動作が習慣性となっていることが多くあります。別に痒くなくても掻くことも。緊張を強いられたときなどに無意識に掻いてしまうことが…。
掻けば、当然皮膚にダメージを受けます。掻いているうちに本当に痒くなり、本格的に掻いてしまう…これは負の連鎖反応です。痒みは精神状態と密接に関連しています。よく掻く人の手指の爪は磨いたようにピカピカで、指関節部にタコが見られます。
痒みに対して自分でできる対策として、
・掻いていることに気付いたら手を組むなどして掻くのをやめる。
・乾燥部位はこまめに保湿を。
・焦躁や緊張を和らげるために、深呼吸を。
・痒いときは掻くのではなく、優しくこすり軽く叩く(ただし、目の周りは避ける)。
・掻き壊しを防ぐために、爪を短く切っておく。
・寝る前の緊張と痒みを改善する方法を。
・部屋の温度・湿度に気を付ける。
痒みに対しては、「内服」と「外用・スキンケア」と「自己管理」が大切です。