こんにちは。
ボクたちがストレスを感じて緊張や不安、イライラを感じたとき、一番症状が出やすい臓器が胃腸です。
感情をあらわす言葉に「胃が痛む」「断腸の思い」…という消化器症状を含むものが多く存在することからも、気持ちの中でもストレスの多い現代は、胃に不快感を感じる人が増加傾向にあります。
過度のストレスを受けると、刺激となったストレスが、「自律神経」と「ホルモン分泌」の2つの経路を通って、胃に不快症状を引き起こします。
「自律神経」には、血管を収縮させる作用のある「交感神経」と、食べ物を消化するための胃酸分泌と消化管運動などに作用する「副交感神経」があります。通常、お互いバランスを保ちながら、その機能を果たしています。
しかし、ストレスを感じると、短時間で両方の神経が過剰にはたらくことにより、体が混乱を来します。胃においては、血管が収縮して酸素や栄養が隅々まで行かなくなることで、胃壁がもろくなり、そこに胃酸が多く分泌されて、胃粘膜にただれや痛みにつながります。
それと同時に、ストレスを感じると脳下垂体から「副腎皮質刺激ホルモン」が分泌される…ということも分かっています。このホルモンは、血液に運ばれて「副腎」に達することで、ステロイドホルモンを分泌させ、胃粘膜を荒らすようです。
このようにストレスは、「自律神経」と「ホルモン分泌」の2つの経路から、胃の機能を乱し、急性胃炎、慢性胃炎、胃潰瘍などを引き起こす…ということです。
ただ、検査をしても病気や炎症は見られないのに、不快症状が治らないケースもあります。こうした胃の不快症状は「機能性ディスペプシア」と言われ、最近多い傾向にあるようです。
「機能性ディスペプシア」の国際診断基準から、4つの症状で判断するそうです。
①食後のもたれ感
②早期満腹感(食べ始めてすぐにお腹がいっぱいになる)
③みぞおちの痛み
④みぞおちの灼熱感
①と②のように食べ物に関係する症状と、③と④のように痛みに関係する症状に分かれますが、これらのうち1つ以上が3ヶ月以上続いて、なおかつ胃カメラ検査で異常がない場合、「機能性ディスペプシア」…と診断されます。
「機能性ディスペプシア」はストレスが原因で起こる病気…。ストレスを上手にさばくことができる人は、かかる可能性が低いとも言えます。
「機能性ディスペプシア」は不安を取り除くだけでも、自律神経に大きな影響があらわれ、回復の見られる病気なので、ストレスに強くなるような思考(考え方)や生活習慣が基本となるかもしれません。
漢方薬の中には、ストレスを上手にさばけるようなものがあります。「シベリア人参」「開気丸(かいきがん)」「逍遥丸(しょうようがん)」「温胆湯(うんたんとう)」などです。強いストレスにさらされて、胃腸のはたらきが落ちている人にはおススメの漢方薬です。