こんにちは。
今回は「顔をみれば病気がわかる」という本を紹介します。
この本の著者の猪越恭也先生は、ボクの中医学の先生です。吉祥寺にある東西薬局で日々患者さんの相談をされている傍ら、後進の指導に当たるとともに、執筆活動もされています。ボクも、先生に中医学を一から教えていただいた生徒の一人です。
先生のモットーは「中医学を家庭のお母さんへ」。つまり、お母さんは家族にとってのお医者さん、家族の誰かが病気になったら、漢方薬上手に使って病気を治す、また未然に防ぐようになって欲しいという事です。
なので、先生は市民の皆さまに中医学を普及しようと精力的に講演会などを開いていらっしゃいます。
この「顔をみれば病気がわかる」は、中医学の中の診断方法である四診(望診、聞診、問診、切診)の中の、望診のポイントを誰でも分かりやすく解説してある本です。
これは、顔の中でもポイントとなる「目」「口」「舌」「鼻」「ほお」「歯」「髪」。顔以外では「爪」など、1つ1つを丁寧に解説してあります。
その中でも、「舌」を診るというのは、中医学では体の状態がよくあらわれる部位として、非常に重要視されています。舌の形状、舌の動き、舌の色、舌の大きさ、舌の厚さ、舌苔の色から判断をするんですが、これが診断の最後の決め手となる事もあります。
これは、中医学の考え方もありますが、先生の豊富な臨床経験をもとにした本です。
お客様で、爪に縦スジが入った方が、この現象はどういう事なのか?と来られました。病院のドクターに聞いても分からない。原因不明でした。ただ、中医学では老化現象の一つ、また無理なダイエットなどで栄養状態が悪くなった事により、縦スジが入る事もあるんですが、実際その人は、糖尿病の薬を服用中で、食事も制限されている人で、前にも厳しい食事制限をした時に出たそうです。
中医学は「未病の医学」と言われています。それは、病気と診断される前の不快な症状をいち早く診断し、改善できるからです。西洋医学では、検査数値に異常が出なければ、「原因不明」「老化」などと診断される事が多いです。しかし、中医学の四診から原因を見つける事ができる場合が結構あるんですよ。
隠れた不調を自分でチェックできる本なので、健康に興味のある人におススメです。中医学に触れるいい機会だと思います。
この本は、海外でも翻訳されて出版されているみたいです。ボクの先生の本だからおススメというのではなく、本当に色々な発見ができ、役立つ本だと思います。