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社会が複雑化することによって生じるストレスや、便利さや表面上の安全性を追求した現代人の食生活は、血管を緊張させて収縮したり、血液をドロドロにして、心筋梗塞や脳梗塞、脳出血などの、命にかかわる病気を引き起こしやすくなる…と言われています。

このように、「血液の質が悪くなり、粘り気を増して流れが悪くなったり固まりやすくなった状態」のことを、中医学では「瘀血(おけつ)」と言います。

中医学では、「瘀血」を、脳や心臓などの循環器の疾患だけでなく、冷えや肩こりなどの軽いものから、ガン、肝臓病、腎臓病などに至るまで、様々な病気の引き金になるものと警戒しています。つまり、「瘀血」は万病の元なのです。

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そんな「瘀血」をとる生薬として、シソ科の植物である「丹参(たんじん)」があります。

「丹参」は、末梢血管を拡張したり、血液がドロドロになり血管に詰まりやすくなった状態を改善するはたらきに優れています。

頭痛、肩こりなどの軽い血行不良による症状が見られる場合や、慢性的に高血圧、高コレステロール血症を患っている方が使用されると、突然死を予防することができ、現代医学の方面からも非常に注目されているようです。

現在の研究でも、「血管を拡張し、血流を増やす作用」「血液の粘度を下げ、血をサラサラにする作用」「乳酸代謝を促進し、筋肉痛や筋肉疲労を解消する作用」「腎機能をよくし血圧を下げる作用」「活性酸素消去作用」などが分かっています。

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また、セリ科の植物「川芎(せんきゅう)」も、血液だけでなく、気の流れをスムーズにするはたらきがあり、イライラや動悸を伴う病気や、生理不順、生理痛などの婦人科疾患にも「丹参」「当帰(とうき)」「芍薬(しゃくやく)」などとともに使われています。

「川芎」は、もともとの名前を「芎窮( きゅうきゅう)」と言います。中国では日本のお米の産地のように、「どこ」で栽培されたものが品質が一番いいか…というランク付けがあります。「芎窮」の場合は四川省のものが高品質であることから、「川芎」と呼ばれるようになり、それがそのまま生薬の名前となったそうです。

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この「丹参」と「川芎」の入った漢方薬に「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」があります。

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また、川にゴミが詰まると水があふれることがあるように、血液が詰まり、そのため出血があらわれることがあります。

このような場合、血液の流れを止めるのは逆効果で、反対に血行を改善する必要があります。

ウコギ科の植物の「田七人参(でんしちにんじん)」には、血行を改善するはたらきとともに、止血作用もあり、胃潰瘍、生理痛、捻挫、打撲など出血や内出血を伴う病気の治療に適しています。

また、「田七人参」が注目される理由に、肝臓への効果があります。「田七人参」は、中国で肝炎の治療に使われる「片仔廣(へんしこう)」の主成分です。

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「田七人参」のエキスである「田七人参茶」があります。