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気が滞ると、胃やお腹が脹る、脇に何か詰まったような不快感がある、ゲップやガスが多い、イライラして気持ちが落ち着かないなど「気滞(きたい)」と呼ばれる一連の症状があらわれます。
よくこの場合、ガスを止める…という目的の「ガス○○○」という医薬品もありますが、それは腸内環境を良くするための整腸剤なので、「気滞」から来る脹りやガスの改善には向かないと思います。
「気滞」が更に悪化すると、痛みがあらわれます。「気滞」が原因となって起こる痛みには、痛む場所は1ヶ所に固定せず移動しやすい、痛みは感情の変化により増減し、気にすれば気にするほど痛くなる、ガスやゲップが出ると楽になるほどの特徴があります。
このような痛みがあらわれた場合には、キク科の「木香(もっこう)」がよく使われます。お香の材料としても使われる「木香」は、気の流れを改善し、気分を落ち着けるだけでなく、痛みを止める「理気止痛(りきしつう)」作用に優れ、しかも殺菌作用もあることから、ストレスだけでなく、食べ過ぎや食あたりによる腹痛にも効果があるようです。
また、「香附子(こうぶし)」はカヤツリグサ科の植物の根茎で、同じように「理気止痛」作用があります。このほか「香附子」の特徴として、血行を促す「活血(かっけつ)」というはたらきがあり、血行不良による痛みを改善するはたらきがあります。
よく、「香附子」を「附子(ぶし)」と間違われる方がいらっしゃいます。「附子」はキンポウゲ科トリカブトの側根で、体を温める作用が強く、全く別物です。
生理中に様々な不定愁訴を訴えられる方がいますが、胸やお腹が脹る、イライラする、気分が落ち込むなどの症状は、「気滞」によるもので、腹痛、生理の血の中に黒い塊が混じる、頭痛などの症状は「瘀血(おけつ)」と呼ばれる、血行不良によるものです。
「香附子」は「理気活血(りきかっけつ)」して、生理を整えることができることから、生理不順、生理痛、不妊症、閉経などの婦人科疾患などによく使われます。
このように、血行を促すはたらきがある「香附子」ですが、「瘀血」が顕著な場合は、血行を良くする「活血薬(かっけつやく)」を合せると、より効果が高まります。
この「木香」「香附子」の入っている漢方薬に「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」があります。「冠元顆粒」は「丹参(たんじん)」「紅花(こうか)」「川芎(せんきゅう)」「赤芍薬(せきしゃくやく)」などの「活血薬」が加わることで、より全身の血流を良くする効果があります。
胃やお腹が脹る、脇に何か詰まったような不快感がある、ゲップやガスが多い場合は、「開気丸(かいきがん)」がおススメです。