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沙棘(サージ)はグミ科の植物で、中国では内モンゴル、チベット、四川などの砂利地域や川辺に分布しています。

沙棘の実は砂漠の宝であり、古来から「生命の実」と呼ばれてきました。チベット医学では、沙棘を様々な治療に使って、素晴らしい効果を収めてきました。

チベットのラマ僧は沙棘を万病を治す「霊丹妙薬」とみなしていて、その効能は「四部医典」や「丹王薬典」にも記述があります。

沙棘の実から抽出精製した沙棘オイルは、1トンの実から2kgしか採れないほどの貴重なオイルなんです。沙棘オイルには、パルミトオレイン酸のほか、オレイン酸やパルミチン酸などの脂肪酸、ビタミンE、植物ステロール、カロチノイド、βークリプトキサンチンなどの成分が含まれていて、まさに「天然のサプリメント」なんです。

沙棘オイルの薬理作用として、

・抗酸化、抗放射線損傷作用…沙棘オイルはスーパーオキシドディスムターゼ:SOD(活性酸素を消去する酵素)を有意に高めて、体内の脂質の過酸化を防止し、生体膜やアポ酵素(補酵素と結合することによって酵素活性を示す酵素タンパク質)の正常機能を維持します。研究によると、放射線による損傷は脂質過酸化反応と密接な関係があります。沙棘オイルには強い抗脂質過酸化作用があるため、損傷を軽減することができます。マウスを使った実験で、沙棘オイルの抗放射線損傷のメカニズムは、脾臓保護、骨髄造血機能の回復、抗脂質過酸化作用があると言われています。

・抗炎生肌作用…沙棘オイルは胃酸やペプシンの分泌を抑え、粘膜修復やコラーゲンの合成の促進によって、潰瘍や炎症の回復を助けます。消化性潰瘍、慢性萎縮性胃炎などの予防、改善に大変有効であることが分かっています。

・血脂降下、血管軟化作用…沙棘オイルにはコレステロール、ちゅ性脂肪の降下作用があります。血脂を下げると同時に善玉コレステロールの水準を高めて、血管の保護にも有効です。血液の流変性を改善し、血液粘度を下げて、血栓形成の防止作用をもっていると言われています。

・免疫機能の調整作用…沙棘オイルには細胞免疫と体液免疫の両方の免疫機能調整作用があります。

・抗ガン作用…臨床上、100例の悪性腫瘤患者さんの化学療法の過程に沙棘オイルを加えると、抗ガン薬物の血液に対する毒性を明らかに軽減しました。また、抗ガン薬物による消化管の不良反応(膨満感、吐き気、嘔吐、上腹部不快、便秘、口内炎など)を大幅にカットしたそうです。加えて、免疫機能を高めることにより、体力と良好な精神状態を保つことが出来るようです。