こんにちは。

中医学の五行説。五行の分類として「五行(木・火・土・金・水)」「五味(酸・苦・甘・辛・鹹:しおからい)」「五色(青・赤・黄・白・黒)」「五季(春・夏・長夏・秋・冬)」などに分けられます。

その中の「五季」。四季を5つの要素に分けて考えます。春・夏・長夏・秋・冬です。この中に、聞きなれない長夏という季節があります。長夏は夏と秋の間の湿気の多い時期のことです。

五行の「木・火・土・金・水」は、そのまま「春・夏・長夏・秋・冬」と対応します。

また、「木・火・土・金・水」は、五臓の「肝・心・脾・肺・腎」とも対応しています。

五臓のそれぞれの働きとしては…

肝=血液の貯蔵と新陳代謝。血流をうながす。自律神経の調整。
心=大脳(精神活動)と循環器系。
脾=飲食物の消化と吸収、水分代謝。
肺=鼻・のど・気道・細胞・皮膚までを含めた呼吸機能。
腎=生殖機能と泌尿器系、ホルモン系。

つまり、「春は木の性質があり、肝に影響の出る季節」「夏は火の性質があり、心に影響の出る季節」「長夏は土の性質があり、脾に影響の出る季節」「秋は金の性質があり、肺に影響の出る季節」「冬は水の性質があり、腎に影響の出る季節」…ということになります。

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…春は木がもっとも伸びやかに成長する季節です。肝は木の特徴や性質に似ているところから、木に配当されます。春は肝が失調しやすい季節。春は肝が上昇しやすくなり、肝の気が鬱滞し、情緒不安定になりやすくなります。五月病もあるくらい、この時期は多くなります。また、カゼにかかりやすい時期でもあります。

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…心に熱が強くなるのは、特に夏の季節。心に熱があるときは、すぐに熱は血に移り、血熱になります。血熱になると、皮膚の赤みが強くなったり、紅潮したりします。汗も出やすく、顔が赤くなります。また発熱しやすく、熱中症も多くなります。

長夏…日本の四季にはありませんが、日本の土用の前後に相当する短い期間で、湿が多い季節です。長夏は、胃腸の症状が出やすくなります。脾は湿を嫌います。湿が多いと脾は動かなくなり、食欲が落ちたり、下痢をしたりします。食中毒が多いのもこのあたりです。

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…秋は乾燥する季節です。秋は、肺の病気が多くなります。冬に向かって、気管支炎や喘息の発作が非常に多くなります。肺の働きが落ちやすい季節です。

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…冬は精を貯蔵する季節です。精とは、生命活動を行うための基礎となるもの。体を消耗させなようにすることが大切。1年中でいちばん腎を補いやすい時期でもあります。

このように、季節により出やすい病気が違います。気を付けましょう!