こんにちは。

寒くなるとトイレが近くります。

冬は汗をかく量が減るため尿が増えます。また、皮膚からの寒冷刺激も尿意につながるため、下半身を冷やさないようにすると、トイレに行く回数も減ります。

また、健康維持のために意識的に水分を摂る人がいますが、水分をたくさん取れば頻尿になりやすくもなりますし、コーヒーやお茶に含まれるカフェインには利尿作用があるので、これらの摂り過ぎも注意が必要です。

男女とも高齢になるとトイレの回数は増えます。

男性は前立腺の肥大が誘発、女性は出産や肥満で股間の骨盤底筋がゆるみ、尿道周りの筋肉が衰え頻尿になることが多いのだそうです。

前立腺は、膀胱のすぐ下で尿道を取り囲んでいる男性特有の器官で、加齢により肥大しやすく、60代で60%、80代では90%の男性に肥大が見られるのだそうです。これが尿道を圧迫するため尿が出にくく、頻尿にもなりやすくなります。尿が出るまで時間がかかる、残尿感がある…という場合は「前立腺肥大症」の可能性があります。

頻尿は加齢以外にも、膀胱炎でもなります。また、頻尿になる病気の中でも怖いのは「膀胱がん」で、初期で発見できれば5年生存率は9割以上ですが、初期は痛みもなく、血尿くらいしか自覚症状がないと言います。尿に血が混じっているときは、医療機関で検査を受けることが欠かせません。

頻尿で最も多いのは「過活動膀胱」。尿がたまると膀胱が急激に収縮して強烈な尿意に襲われます。

西洋医学では、抗コリン薬やβ3作動薬など膀胱の収縮を抑える作用の薬を使用します。

また、排尿間隔を意識的に空け膀胱の容量を大きくする「膀胱訓練」も有効になります。最初のうちは5分程度我慢して、その後は、10分間我慢をまた1週間続け、20分我慢を1週間…と我慢する時間を延ばしていくもの。

「骨盤底筋を鍛える」ことも有効です。骨盤底筋は尿を出す・止める筋肉…。尿道、肛門をキュッとキュッと上に持ち上げる意識をもって締め、5秒ほど経ったら力を抜きます。テレビを観ながら、本を読みながら、無理せず自分のできる範囲で繰り返してください。

中医学では、尿をためる、締まる力は主に「腎」の働きと考えます。「腎」を全身の水分代謝をコントロールする中心的な臓器であるとし、尿の生成や膀胱括約筋の収縮と弛緩を調整していると考えています。

慢性的な頻尿は「腎」が衰えている状態…「腎虚」と考えるわけです。

寒い冬を迎える前から「腎」を補い始めるのが良いわけですが、寒い時期は「腎」を補い「命門の火(腎陽)」を高める「補腎薬」を服用するのがおススメです。

「腎」を補うということは、単に頻尿や腰痛といった「腎虚症状」の改善だけでなく、生命力そのものを高めることにつながります。