こんにちは。

春は温かな日差しが心地いい季節ですが、その一方、急な気温の変化やストレスなので心身の不調を感じることも少なくありません。これからの活動的な季節を元気に過ごすためにも、春に影響を受けやすい「肝」の養生を心がけることです。

中医学では、「肝」は西洋医学で考える肝臓の働きだけでなく、体全体の活動と様々な役割を担っていると考えます。中でも需要なのは「疏泄」と「蔵血」の機能です。

「疏泄」は通じさせて発散・排泄する…という意味で、新陳代謝のような役割のこと。全身を巡る気・血・津液(水)の流れをスムーズにし、消化や排泄を促進させる機能のことで、精神の安定や五臓(肝・心・脾・肺・腎)全体の働きをサポートしています。

「蔵血」は、その名の通り血を貯蔵すること。必要に応じて血を全身に届けるための調節も担っていると考えています。体の隅々まで血を届けるこの機能は、腱、筋膜、じん帯など「筋」の動きをスムーズにしたり、視力や目の健康を保つ…といった役割も担っています。

こうした肝の機能が低下すると体全体にも影響が現れ、イライラや憂鬱といった精神の不安定、血圧の上昇、頭痛、胃腸の不調、月経障害、めまい、手足のしびれ、視力の低下など様々な不調につながります。

「肝」は、春にぐんぐん育つ草木のように「のびのびとした状態」を好む臓器。過度のストレスを受けると機能が低下してしまうため、季節や環境の変化、コロナ禍でストレスが溜まりがちなこの時期は、特に「肝」の養生がポイントとです。

コロナ禍で外出を控えている方もいらっしゃいますが、本来であれば、この時期は積極的に体を動かして、ストレスや老廃物などをスッキリ発散してしまいましょう。伸び伸びとしたストレスのない状態は、「肝」の機能を高めることにもつながります。

また、早起きを心がけ、散歩などの軽めの運動を。春の陽気を満喫すれば、ストレス発散にもなります。髪のブラッシングや頭皮のマッサージで気分をリフレッシュするのもおススメです。

香りのいいジャスミン茶や菊花茶などの花茶はアロマ効果でストレス発散にもなるので、リラックスしたいときは花茶を選ぶのをおススメします。

睡眠を十分に取る、体を動かして「気」を巡らせる、入浴で気持ちをリラックス。また、「三陰交」「内関」のツボをマッサージするのもおススメです。

三陰交:内側のくるぶしから指4本くらい上のすねの骨の内側のくぼみ
内関:手首から指3本分下がったところ

規則正しい生活を送ることが基本ですが、それでも難しい場合、中成薬(中国漢方)や自然薬の出番です。