こんにちは。
ボクたち人間の体は、全身を巡る3つの要素である「気」「血」「津液(水)」で構成されていると中医学では考えます。
その中の「気」とは「生命活動を支える体のエネルギー源」。「気」というエネルギーが体内を流れ、これによって各臓器がスムーズに機能し、新陳代謝が行われると考えています。
「気」の巡りを良くし、臓器の機能をスムーズにする働きを「疏泄(そせつ)作用」と呼んでいますが、ストレスが溜まると「疏泄作用」が弱くなり、「気」が滞り、他の臓器に異常が及ぶことが多々ありますが、中でも胃腸に影響を及ぼすことが多いです。
消化酵素や胆汁の分泌、胃腸の蠕動運動は「疏泄作用」によって調整されています。「疏泄」が悪くなると、胃炎や胃・十二指腸潰瘍などが生じやすくなります。下痢や便秘がなかなか治らず、食欲不振・胃のもたれ・腹の張り・腹痛・吐き気などを伴うケースもあります。下痢や便秘の薬を使っても、なかなか良くならない胃腸病には、このような背景が多いと思われます。
先日の「お腹が張ってガスが溜まる…」という女性のお客様。「ガスピ○ン」をしばらく続けられたけど全く改善しなかったとのこと。原因がは何なのか、どうしたらいいか分からなくてご相談されました。
お話を聞かせていただいて、そのときにおススメしたのが「開気丸(かいきがん)」。
精神的なストレスからくる胃腸障害に優れた作用をもっているのが「開気丸」。効能効果は、吐き気(むかつき、胃のむかつき、嘔気、悪心)、胸のつかえ、腹部膨満感、腹痛、胃痛、食欲不振、消化不良、下痢…のほかに、腹部膨満感を伴い繰り返しまたは交互にあらわれる下痢及び便秘とあります。
それほどストレスを自覚してらっしゃる様子でもなかったですが、整腸剤では改善していなかったのと、多かれ少なかれ誰もがストレスを受けていますし、感じ方は人それぞれなので。特に女性の体はとてもデリケートなので、自分では気がつかない程度のストレスでも敏感に感じ取りますから。
暑さや湿気、気温差が体にとってのストレスになることがありますし、仕事や人間関係の変化が精神的なストレスとなることもあり、身体的、精神的ストレスが加わることで気の巡りが悪くなることも…。
「ストレスが原因?」という反応でしたが、2~3日の服用で改善されてきたとのこと。試しに120丸(小)を買われ、数日後480丸(大)を買いに来られました。「開気丸」が良く効いてくれたようですが、お腹が張るのは「気の滞り」によって、風船🎈のようにパンパンに膨らんだような状態だったわけです。
ストレスは小まめに発散し、日頃から気持ちをリラックスさせ、「気」の巡りをスムーズに保つことが大切です。
ミカンの皮(陳皮)、菊の花(菊花)、ジャスミン、ミント、セロリ、トマト、イチゴ、タケノコ、クレソン、タラの芽、ウドなど、苦味・酸味で「肝」の働きを整え、香りでストレスを発散させる食材を食事に取り入れてみてください。
睡眠を十分に取る、体を動かして「気」を巡らせる、入浴で気持ちをリラックス。また、「三陰交」「内関」のツボをマッサージするのもおススメです。
三陰交:内側のくるぶしから指4本くらい上のすねの骨の内側のくぼみ
内関:手首から指3本分下がったところ
規則正しい生活を送ることが基本ですが、それでも難しい場合、中成薬(中国漢方)や自然薬の出番です。