こんにちは。

春は、植物が甦生し生命があふれる季節ですが、バイ菌やウイルスも冬から息を吹き返し、ありがたくないことも…。それに、花粉症などのアレルギー疾患(蕁麻疹など)、ウイルス感染症(単純疱疹ヘルペスなど)がみられます。

春は「感染症」や「アレルギー」と関係がある病気にかかりやすい時期

春は「感染症」や「アレルギー」と関係のある病気にかかりやすい時期…と言えます。

近年増加傾向のアレルギー性鼻炎とは、くしゃみ、鼻水、鼻づまりを特徴とした鼻粘膜のⅠ型アレルギーです。その他、目が赤く充血して涙が流れたり、頭痛や頭重を伴ったりします。

春先に多いのは、アレルギー性鼻炎の大きな原因でもあるスギやヒノキの花粉がこの時期、大気中に舞うためです。

昔はそれ程なかったアレルギー性鼻炎、花粉だけが原因ではなく、大気汚染や食生活の大きな変化などが背景にあると言われますが、そのために季節に関係なく症状があらわれる方も…。

くしゃみや鼻水、鼻づまりの発作に、一般的には西洋薬の抗アレルギー剤が使用されますが、欠点として眠気を催すことがあげられます。その点、漢方薬はその心配がありません。

一般にアレルギー性鼻炎に用いられる漢方薬

漢方薬は長く服用して、体質を改善するためによく用いられますが、急に生じた症状にすぐ対応するために用いられることの方が現代では重要とされます。そのため、漢方薬はすぐに効果が出ない…と思われる方も多いようですが、使い方によっては、15~30分くらいでラクになり、効果が6~8時間持続したりします。

ただし、漢方薬は自然の植物、動物、鉱物などを原料にして作られたもの、原料の品質の良否によって、同じ名前の漢方薬でも、用いた原料の品質や製造方法などにより効果が大きく異なる場合があるので、注意が必要かもしれません。

一般にアレルギー性鼻炎に用いられる漢方薬は「小青竜湯」かもしれませんが、水っぽい鼻水がダラダラ出るような症状のときに用います。体力のない、高齢者には「麻黄附子細辛湯」が用いられることも。

透明の鼻水+鼻づまりは「葛根湯加川芎辛夷」、黄色い鼻水+鼻づまりは「辛夷清肺湯」などを、蓄膿症のには「鼻淵丸」などを用いたりします。

標治と本治

ただし、これらは「標治(対症療法)」の漢方薬。中医学では鼻や目の症状を抑える「標治」と、体質改善によって外邪(花粉、ウイルスなど)を寄せ付けない体を作る「本治」の二段構えで対応していきます。

まず「標治」では、花粉症特有の鼻水やくしゃみを体の冷えからくる症状と捉え、体を温める温性の「小青竜湯」がよく使われます。

「漢方薬は副作用がない…」と思われて「小青竜湯」を予防として飲むように言われた…という話を聞きますが、それは間違い!これはあくまでも「標治」に使用するものなので、使用には十分注意してください。

一方「本治」は体の正気(防衛力)を高める「衛益顆粒」など。

「正気が体の中にあれば外部の邪は体内に入れない」という考えがあり、正気の存在を特に重視しています。正気が弱まると、気候や気象の変化に応じられず病気が体に侵入しやすくなる…ということです。

アレルギー性鼻炎は、最近急激に増加していますが、その原因がスギやヒノキなどの花粉が急に大気中に増加したのだとは考えられません。これは、都市化による生活環境の悪化に加えて、生活、特に食生活などで、ボクたちの体質が変わったことが原因だと思います。冷たいものの飲食、生野菜の常食、牛乳やヨーグルトなどの常食は控えましょう。

過労を避け、睡眠を十分とり、下半身を冷やさないように服装には注意をし、動物性食品に偏らないように注意をし、野菜や無精白の穀物を中心としたバランスの良い食事を。