こんにちは。
胃腸など、消化器系の内臓を丈夫にする食べ物は、お米や粟などの穀類。口の中でよく噛んでいるうちに、淡い甘味が出てくるのを味わいながら、さらに噛んでいると自然に胃の方へ流れ込むようになります。
とにかく、胃腸の弱い人は噛むことが大切です。
淡い甘味は胃腸の働きを良くしますが、多く摂り過ぎると、逆に胃腸の働きを悪くします。また、異常に甘味が欲しいときには、胃壁がただれ、胃炎の始まりであることが多いそうです。
中医学では、胃腸を中心とした消化器系に相当する内臓を「脾胃」と言います。
中医学の「脾胃」の働きは、食事に含まれる栄養を消化吸収し、生命エネルギーを得、血液を造り、筋肉を養うことであるとしています。
「胃」は湿を好み、「脾」は燥を好む
古代中国の人々は、
『食事は口から胃に送られ、初歩的な消化が行われて小腸に送られる。この途中で、胆嚢から胆汁が注入される。小腸では本格的な消化を進めたうえ、腸に送られ、体の必要な栄養と不要なカスとに分けられ、栄養と必要な水分は「脾」の働きによって、体の上の方の「肺」に運ばれる。ここで空気中の「清気(酸素に相当)」と結合し、呼吸したり言葉を発するエネルギーと血液となり、全身に栄養を補給し、五臓六腑を養い、一部は五臓の「腎」に貯えられ、生命エネルギーを補充する。不要なカスと不要の水は大腸と膀胱から排泄される。』
と考えました。
「胃」は、まず食事を受け入れるところ、粘膜に潤いが必要で、「胃」は湿を好みます。それに対し、「脾(消化器系)」の方は過剰な水分が存在すると働きにくくなるので、乾燥気味の方が良いと考えられ、「脾」は燥を好むと言われます。「胃」が乾いているときは、口の中も乾燥していて食事がとりにくいことがありますし、「脾」がビチャビチャだと下痢をしやすく、消化吸収が悪くなります。
「胃」を潤すのは梨🍐やスイカ🍉などの野菜や果物、生薬では麦門冬など。漢方薬では麦味参顆粒、麦門冬湯など。
「脾」を乾かすのはシソ、サンザシ、ミカンの皮(陳皮)、生薬では茯苓、白朮など。漢方薬では香砂六君子湯、健胃顆粒など。
精神的なストレスと胃腸の関係
また、精神的なストレスが強いと、五臓の「肝」を異常に興奮させると考えられ、五臓の相互関係に乱れが生じ、「脾胃」を過剰に抑制し、「脾胃」の障害を起こす…ということがあります。
「胃」が主に侵されると、胃痛、食欲不振、ゲップ、吐き気、胃部のつかえ感などの症状が、「脾」が侵されると、下痢あるいは下痢と便秘の繰り返し、お腹にガスが溜まって苦しい、消化不良などの症状があらわれます。
キャベツは、このようなときの胃の症状を緩和します。漢方薬では開気丸など。
生まれつき胃腸が弱い人
胃腸の働きが弱く、ひどいときには胃下垂、脱腸、遊走腎、子宮下垂にも。女性では流産を繰り返すことも。また、アザ(内出血斑)ができやすいのも、胃腸の虚弱がもととなっていることが多いです。
ともあれ、胃腸の弱い人は噛むことが大切です。
下垂の症状がひどいときは、補中益気湯など。下垂のない場合は、香砂六君子湯、健胃顆粒など。
規則正しい生活を送ることが基本ですが、それでも難しい場合、中成薬(中国漢方)や自然薬の出番です。