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五行学説に基づく中医学の考え方には、春夏秋冬のほかに「長夏(ちょうか)」という季節があります。

長夏とは?

「長夏」は夏の終わりの1ヶ月。旧暦で考えることから、8月下旬から9月中旬の頃、ちょうど今がその「長夏」にあたります。

夏も後半にさしかかると、暑さや湿気から体にずっしりと疲れがたまってきますが、この時期に注意したいのは「脾胃(消化器系)」の不調です。

長雨により湿気の影響を受けやすい時期。実際、雨が多いイメージの6月(梅雨の時期)よりも、雨量は多いというデータも出ています。意外かもしれませんが…。

特に湿気の多い日本の夏は、体内に「湿」が溜まりやすく、「脾胃」の機能も低下しがちになります。加えて、暑さから冷たい物の摂り過ぎは、「脾胃」を傷つけてしまいます。結果的に、お腹の不調や食欲う不振などが続き、夏に無理して疲れを引きずったりした結果、この時期に「夏バテ」ならぬ「秋バテ」を起こしてしまいます。夏から「長夏」にかけてが、最も体力を消耗しやすい時期なのです。

「脾胃」を大事に

この季節は「脾胃」を大事にしましょう。具体的には、味の濃い食べ物で補うのではなく、いんげん豆、ハトムギなど、サッパリしたものを。ハトムギは「脾胃」の働きを助ける「健脾」という作用をもち、さらに「湿」をとる働きもあります。山椒や小茴香(フェンネル)はやや熱い性質がありますが、停滞している「脾胃」の「湿」をとるという意味でよく使われます。シソの葉も「脾胃」の「湿」をとる働きも…。