こんにちは。

春と秋は温度変化が激しく、気候が不安定。ボクたちの体はその変化に対応するのは大変です。

この変化に対応するには多くのミネラルが必要で、「春の七草」や「秋の七草」…のように、七草などの野草や山菜、野菜からミネラルを摂取する必要があるのだそうです。

温度変化が激しくなると体が代謝するのに必要なミネラルの必要量が増加。「春眠暁を覚えず」と言いますが、寝ている方が体に負担がかからないので、春は目が覚めにくくなるのだとか。なかなか起きることができない人が、ミネラル豊富な山菜や野菜を食べると、次の日から早く目が覚めると言われています。

また、夏の暑さや冬の寒さを乗り切るにも、やはりミネラルが必要。暑い地域、寒い地域は年中同じ気温とは限らないので、温暖な地方よりもはるかに多くのミネラルが必要となります。

それは、古くからの北と南の地方の食生活からもうかがえるのだとか。

北の地方は春の山菜から秋のキノコまで、たくさんの植物を食べてミネラルを補給。南のちほうはアク巻きなど、アク(灰汁)を食べてミネラルを補給しているのだとか。ボクも九州でアク巻き(米をアクで炊いて作るお菓子)を食べたことがありましたが、そういう意味だとは知りませんでした。

温度差が少ない温暖な地方では、わざわざ食べることは少なかったですが、現代では冷暖房のお普及によって、夏冬の室内外の温度差が激しく、日本のどこでも1日の温度差が大きくなってきています。それなのに、野草や山菜を食べる習慣は消えつつある、日常の食事でも食材のアクが強くないので、摂取しているミネラルも不足しているわけです。加えて「現代食」…いわゆる昭和初期になかったボクたちの周りに溢れている便利で、早くて、安いという食習慣は、ミネラルの必要量が平均点に達していないという結果が…。

その「現代食」の落とし穴(ミネラル不足)として、「水煮食品の増加」「食品添加物・リン酸塩を使う加工食品の増加」「精製食品、精製油脂の使用が増加」が指摘されています。

ミネラルが不足は「新型栄養失調」と呼ばれる原因と言われ、神経過敏、欝、疲れやすい、頭痛、腸内神経の異常とも関係していると言われています。変化の激しい生活の中で、体が代謝するのに必要とするミネラルが足りていないことも原因なのかもしれません。

野菜や豆類、穀物を食べるボクたち日本人の食生活は、カルシウム(Ca)や鉄(Fe)などの不足しがちなミネラル、ナトリウム(Na)、リン(P)、ヨウ素(I)などの過剰なミネラルがありますが、毎日の必要なミネラルの種類を理解し、バランスよく適量に摂取したいもの。

中医学の考え方に「五味」というのがあります。

「五味」は酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味のことで、「酸味=肝「苦味=心」「甘味=脾」「辛味=肺」「鹹味=腎」に帰経するとされます。そして、「五味」は、味の分類だけでなく、その効能も指しています。

酸味は収斂(引き締める)、固渋(固める)。苦味は瀉火・清熱(熱を取り除く)、燥湿(湿を取り除く)。甘味は滋養(補う、潤す)、中和(調和させる)。辛味は理気・活血(気・血を巡らせる)、発散(外邪を散らす)。鹹味は瀉下(下す)、軟化(しこりを解消する)。

鹹味は今まで「塩辛い味」だと思っていたのですが、実は「えぐ味」のことだそうで、この「えぐ味」こそが「ミネラルの味」なのだとか。つまり、雑味のない味はミネラルがない味だと言えると思います。

「主食の見直し」「だしのフル活用」「非精製の油を」「ミネラル豊富な食材を使う」「ミネラルを排泄する食品添加物・リン酸塩を極力避ける」「家庭での水煮・アク抜きに注意する(煮汁ごと皮ごと)」など、ミネラルの多いものに置き換える、意識するだけでも違うと思います。