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夏場は、「多量の汗」や「紫外線の刺激」によるかぶれのほか、日焼けや虫刺されなどにより、皮膚トラブルが起こりやすくなります。

夏の強い紫外線は、肌の免疫力を低下させ、汗や外部からの刺激などで、様々なカブレを引き起こしやすくなります。

肌を露出する機会が触れる夏場、皮膚は常に刺激にさらされます。多量の汗は乾燥すると結晶となり、汗に含まれるナトリウムや尿素が皮膚を刺激し、炎症を起こします。そして増大した紫外線で、皮膚の免疫力が低下。加えて高温多湿により、免疫力が低下した皮膚に細菌や真菌(カビ)が繁殖し、皮膚の感染症を招きやすくなります。

湿疹・皮膚炎

最も頻度が高い皮膚病かもしれません。湿疹も皮膚炎も、呼び名が違うだけ。アトピー性皮膚炎などの遺伝的要素のある皮膚炎と、皮膚に触れる様々なものに原因がある皮膚炎があります。

◎アトピー性皮膚炎の悪化:夏場に結晶化した汗が、アトピー性皮膚炎を刺激することで悪化します。汗がたまりやすい肘や膝の内側に、左右対称対象に起こります。

◎あせも:多量の汗で汗腺が詰まると、赤くただれて痒くなります。冷房の普及により現在は少なくなってきています。

接触性皮膚炎

湿疹・皮膚炎の中でも、原因となるものに直接肌が触れることで起こるかぶれです。原因物質と接触した部分の皮膚がかぶれ、症状(紅斑、小水疱など)が現れます。その後、水分が吸収されてカサブタになるか、水疱が破れてびらん(ただれ)が起こります。

◎植物かぶれ:手のひらは皮膚が厚く痒みが出にくいですが、その手で顔などに触れると痒みが出ます。症状は半日~1日後に現れます。

◎金属かぶれ:アクセサリーに含まれる金属が汗でわずかに溶けて、皮膚に触れてかぶれを起こします。汗を多量にかいたときだけ起こす場合もあります。

<接触性皮膚炎の発生する部位と主な接触源>
・頭:育毛剤、毛髪用化粧品、毛染料、シャンプー、帽子
・顔:化粧品、香水、医薬品、装身具、メガネのつる、水中メガネのゴム、植物
・頚部:装身具、化粧品、香水、医薬品、衣料品
・体幹:衣料品、装身具、ゴム、金属、洗剤、マッサージクリーム
・陰部:避妊具、避妊用薬品、洗剤、衣料品、医薬品など
・上肢:衣服、医薬品、農薬、職場の各種接触源など
・手:皮革製品、ゴム、金属類、植物、医薬品、化粧品、農薬
・下肢:衣料品、金属、ゴム、ポケットの中味
・足:ゴム、皮革製品、靴下、洗剤、医薬品

日焼け・虫刺され

日光を長時間浴びると、紫外線により皮膚の細胞が傷つけられ、炎症を起こします。皮膚が赤くヒリヒリした後に、痒みが起こり、水疱ができる場合もあります。また虫に刺されると、虫が血液を吸う前に皮膚に注入するヒスタミン様物質が、痒みや痛みなどを起こします。

◎日焼け:強い紫外線によってやけどを起こし、水ぶくれになります。日光に過敏に反応して強いやけどを起こし、痒み、炎症、水ぶくれが起こる「光線過敏症」もあります。

◎虫刺され:蚊、アブなどに刺されて炎症、痒みが起こる。スズメバチやアシナガバチに刺されると、毒物によるショック症状を起こす場合もあります。

細菌・真菌・ウイルスの感染症

細菌やカビなどの真菌は、高温多湿の環境で繁殖しやすいため、夏場は皮膚の感染症が起こりやすくなります。日焼けやカゼ、胃腸の不調などで皮膚の免疫力が低下すると、さらに菌に感染し易くなります。

◎水虫:足の裏に白癬菌(カビの一種)が付着し、角質層に侵入。強い痒みや水ぶくれなどが起こることがあります。高温で湿気のある梅雨時に急増します。

◎ヘルペス:皮膚に感染して眠っていた単純ヘルペスが、夏場に免疫力が低下した皮膚で再活性化することがあります。水疱ができ、赤く腫れることもあり、日焼け後に生ずることが多いです。

◎とびひ:黄色ブドウ球菌が感染してできた水ぶくれを、掻き壊すと全身に広がります。非常に感染し易く、子どもに多く、アトピー性皮膚炎の子どもによく見られます。

◎おでき:黄色ブドウ球菌が毛穴の奥の毛包に感染し、炎症を起こします汗をかくとできやすく、腫れや痛みを伴い、化膿します。

夏の皮膚トラブルを防ぐには

夏の皮膚トラブル予防には、汗や汚れを毎日洗い流すのが一番。ただし、強く洗い過ぎると肌を保護する角質まで傷つけてしまうので、優しく洗うことです。

また、紫外線量が最大になる6~7月は、紫外線対策も大切。強い紫外線は肌の免疫力を低下させ、肌老化の原因にもなるので、外出のときには、日焼け止め、日傘、帽子などを利用しましょう。

基本的には、湿疹や皮膚炎であれば「ステロイド」、感染症であれば「抗生物質」の外用剤で対応すると思います。まずは1週間使用して様子をみてください。

場合によっては、中成薬(中国漢方)や自然薬などと一緒に。