こんにちは。

汗をかくことは人体の生理現象です。

暑かったり、衣服を沢山着過ぎたり、熱いものを食べたり飲んだり、激しく興奮したり、走ったりすると発汗量が増加するのは自然なことです。

しかし、更年期症候群、自律神経失調症、うつ病、甲状腺機能亢進症、結核病、リウマチなど各種の疾患に並行して異常な汗に悩む人もいらっしゃいます。

中医学では「汗の出る時間💦」「汗の温度💦」「汗の質💦」により分類しますが、比較的多いのが「自汗(じかん)」と「盗汗(とうかん)」だと思います。

昼間に出る汗で、暑さ、厚着、労働などに関わらず、しきりに汗が出るものを「自汗」、夜に出る寝汗のことで、就寝中に汗が出、目が覚めると汗は止まっているものを「盗汗」と呼んでいます。

中医学では、汗は津液(水)の一部であり「陰」に属していますが、汗の分泌と排泄は「陽」の推動作用(体の水分をめぐらせ、分布させる働き)と固摂作用(体に大切な血・津液・精を外へ漏らさない働き)に依存していると考え、一般に「自汗」は「陽虚」によって、「盗汗」は「陰虚」によって起こるとされています。

「自汗」は汗の分泌を調整する組織が開きっぱなしになっている…閉じる力がないために漏れ出る汗です。このような人は、疲れやすかったり、カゼを引きやすかったりします。

「盗汗」は体を潤し冷ます「陰」が不足することによる「オーバーヒート」からくる汗で、「虚火」が津液(水)を体外へ押し出すことにより起こる…と考えられます。このような人は、夕方に微熱が出たり、口渇、便秘もあらわれたりします。

先日「盗汗」のご相談に来られた方、今年になって夜に2~3回「寝汗」で目が覚めるそうです。2つの病院を受診するも検査では「異常なし」、経過観察となったそうです。

それでも全然改善が見られず、下着がビッショリ濡れて不快だし、「西洋医学がダメなら中医学で…」と思われウチに来られたわけですが、「陰」を補い「虚火」を鎮める中成薬(中国漢方)をおススメしたところ、すぐに「寝汗」の程度や頻度が改善されてきたそうです。

改めて中医学の素晴らしさを実感しました。