こんにちは。

広島の「RCC文化センター」で日本生体免疫研究会(日免研)の中国部会研究会があり、行ってきました。中国部会は広島、岡山、山口、鳥取、島根の5県なのですが、鳥取、島根の先生方は雪の影響なのか急遽欠席ということに…。山陽の方は全く影響はありませんが、山陰の方はかなり影響がでているみたいです。

今回は「LEMと軽医療」と題したお話でした。

ボクたちは、生体防御・自然治癒力・体力の「免疫系」、認知能力・運動能力・感覚の「神経系」、ホルモン・恒常性維持・基礎代謝の「内分泌系」のトライアングルにより、健康を保っています。この「健康トライアングル」の破綻が様々な病気の起因となるわけです。

「免疫系」だと、免疫が亢進するとアレルギー疾患や自己免疫疾患、免疫が減弱するとガンや感染症に罹り易くなります。加齢…というのは誰もが避けられないものですが、加齢とともに感染症に罹るリスクは上がります。「胸腺」は加齢とともに萎縮していくのですが、それに伴い免疫も低下するわけです。ですから、免疫が未発達の「5歳未満(特に2歳未満)」、免疫が低下する「65歳以上」は特に感染症への注意が必要となります。

感染症といってすぐに頭に浮かぶのが「インフルエンザ」だと思います。その中でも1918年の「スペイン風邪」、1957年の「アジア風邪」、1968年の「香港風邪」、最近では2009年の「新型インフルエンザ」が有名です。

厚生労働省のホームページによると、2009年の「新型インフルエンザA(H1N1)」での日本人の死亡者は198人。そのうち基礎疾患を有する人が138人、中でも多いのが肺・気管支系と糖尿病系の疾患です。

ウイルスは細胞に①吸着②侵入③脱殻④複製⑤翻訳⑥遊離というプロセスを辿り、1個のウイルスから約1000個のウイルスに増殖し広がっていく…と言われています。

インフルエンザに対する薬剤は、タミフル(経口薬)、リレンザ(吸入薬)、イナビル(吸入薬)、ラピアクタ(点滴薬)などが有名ですが、これらの作用機序は⑥遊離を止めるもので、「細胞内で増殖したウイルスを外に出さない」「出口を塞ぐ」役目があります。

まだ日本では使用されてはないそうですが、アビガンという④複製を止める薬剤もあります。「本剤は、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分な新型又は再興型インフルエンザ感染症が発生し、本剤を当該インフルエンザウイルスへの対策に使用すると国が判断した場合のみ、患者への投与が検討される医薬品である。…」と書いてあります。アビガンは、エボラ出血熱でフランス人医師が感染した際、使用されて助かった…そんな薬剤だそうです。

一方の「LEM」はシイタケ菌糸体。さとうきび(沖縄産)と米ぬかを使った培地でシイタケ菌糸を培養して得られたもので、その有効成分は、多糖体(五炭糖中心)と水溶性リグニンと言われています。この成分には免疫賦活作用があることが分かっていますが、ウイルスへの作用も認められていて、筑波大学のインフルエンザに対する研究では、ウイルスに対しての吸着抑制効果、増殖抑制効果が確認されたそうです。

タミフル、リレンザ、イナビル、アビガンとは違った方法で増殖を防ぐようですが、①吸着②侵入③脱殻のところで作用しているだろう…というところまでは分かっているのだとか。

つまり、LEMは免疫賦活作用もありながらウイルスにも効果があるので、タミフル、リレンザ、イナビル、アビガンを使用した場合でも合わせるとより効果が期待できる…ということ。

もちろん、免疫力を高めてインフルエンザに負けないことが最も大切であるのは言うまでもありませんが…。