ターンオーバーを早める原因は、体にこもった「熱」

こんにちは。

お肌のターンオーバーは一番底にある基底層から始まり、最終的に垢（アカ）となって剥がれ落ちるサイクルのことで、部位によっても異なりますが、約28日周期は正常なサイクル…と言われています。

美肌であるということは、お肌が健康な状態であることの表れであり、健やかな素肌を保つためには、ターンオーバーが正常なサイクルで行われるということが、必要不可欠な条件となります。

ターンオーバーの周期が乱れると、皮膚の細胞が未熟なまま角質層へと押し上げられて行くことで、お肌の表面に古い角質が溜まって肥厚した状態となります。

結果として、お肌の透明感が失われてザラザラとくすんだ肌質になり、同時に肌の乾燥も招きやすくなります。

特に、真っ赤になった皮膚病の方は、ターンオーバーが早いようです。次々と未熟なままの皮膚の細胞が押し上げられ、肥厚したり、落屑（フケ）となってあらわれます。弱々しい角質は剥がれやすく、カサカサや皮むけ現象を起こしやすいからです。

そのターンオーバーを早める原因は、体にこもった「熱」と考えています。

「熱」が強い間、壊れていく皮膚を早く修復しなければ…とターンオーバーが早まります。この状態は「突貫工事」のようなもの…見た目は普通でも、見えない部分はどうなっているか…。こういう状態では、しっかりした皮膚は作れません。

それに「熱」が強いと、大事な大事な「陰液」が飛ばされて、皮膚が乾燥し、さらには痒みにつながっていきます。

痒みは火災報知機のような存在と言われますが、そこには「火事（熱）」や「乾燥（陰液の消耗）」の存在を知らせてくれているのです。それには「熱」を取り、「陰液」を守らないといけません。

赤みが強く乾燥している…ターンオーバーの早い人は、まず「熱」をしっかり取るような漢方薬を使っていく必要があると思います。

20年以上アトピー性皮膚炎の治療を続けて来られた方、強めのステロイド外用剤を使用されています。ずっと皮膚科を受診し、ステロイド外用剤の治療を受けられていましたが、最近になって悪化してきたそうです。

皮膚症状としては全身が赤く、ゴワゴワとしていて掻き傷が目立ちました。それでも、ステロイド外用剤を長期に使っているため、皮膚症状が軽く見えていると感じました。

今の状態を判断する場合、皮膚症状に加え、使用しているステロイド外用剤の強さ（ランク）や使用期間、使用頻度などを聞く必要があります。

今回の場合は「重度」と判断し、「熱」をしっかり取る漢方薬を数種類…1ヶ月服用していただきましたが、ボロボロと出ていた落屑（フケ）が明らかに変わってきたようです。体にこもった「熱」が少しずつ取れたことで、ターンオーバーが正常に戻っているのだと思います。

もちろん、ステロイド外用剤は使用されていますが、痛々しかった掻き傷も減っていて、1ヶ月前に比べ、明らかに良くなっています。

ボロボロと出ていた落屑（フケ）が明らかに変わってきた…「熱」が少しずつ取れてきたのだと思いますが、それでも根気よく続けていく必要があります。まずはステロイド剤の使用頻度を減らすことを目標にしていきながら、キレイな肌を取り戻すためのお手伝いができればと思っています。